「この世界で生きていかなければならないのだから」桐島、部活やめるってよ かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
この世界で生きていかなければならないのだから
拙ブログより抜粋で。
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だいぶ前に予告編を見たきり前情報はほぼ無しで観たもんだから、青春映画にありがちなフォーマットからまるで外れたこの群像劇にはかなり驚かされた。突然何も言わずに姿を消した桐島に翻弄される面々と同じように自分もこの映画に翻弄された。
驚かされた学園モノという意味では、橋本愛ちゃんが注目されるきっかけともなった『告白』(2010年、監督:中島哲也)に通ずるものがあるんだが、あちらは殺人事件絡みの非日常な復讐劇な上に演出的にもあえてデフォルメしているが故、どこかファンタジーのような趣もあったが、こちらはあくまでもナチュラル&リアル。トリッキーな編集こそされているが、大した事件も起こらず、地に足がついた身近さを感じる。時に赤裸々でこっぱずかしく、時に生々しく苦々しい。
実はクライマックスには圧巻の幻想的(?)シーンがあるのだが、それとて非現実というより、むしろそれによってその非現実が“半径1メートルのリアリティ”と化す逆説となっている巧みさに唸らされた。彼らは、この世界で生きていかなければならないのだから。
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全文は『未完の映画評』にて。
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