「ウディアレンらしさ満載」恋のロンドン狂騒曲 kuさんの映画レビュー(感想・評価)
ウディアレンらしさ満載
今まで見てきたウディ・アレン監督作品から何も変わることなく、今回も「らしさ」が光っていました。
ウディアレン監督の映画は好きだけどこれはまだ見ていない。という方はとても気に入るのではと思います。
毎回思うのですが、普通シリアスな映画で描くような人間同士のいざこざを、おもしろおかしく、皮肉っぽくコメディに仕立て上げるのがお上手で、その手法が私はツボです。
今回は特にお母さんにイライラさせられました。いくつかの作品にいらいらさせられる人物が登場してきましたが、みなそういう嫌な人間になってしまった理由があって、その理由を考えると、心底その人物を嫌ったりできないようになっているような気がします。
ひとりひとりの人物の心の移り変わりが丁寧に描かれていて、強引なご都合主義もなく、テンポもよく、最後まで飽きることがありません。
登場人物それぞれが人生の教訓みたいなものを表している気がしました。なくしたものの大切さに気付いてももう遅いだとか、伝えてない気持ちはないのと同じ だとか
「恋のロンドン狂想曲」はちょっと変な邦題ですね。ウディアレンも最初と最後で「人生とは無意味なから騒ぎ」という言葉を使っていることから、あくまでそれぞれの人生の話だと思います。
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