「冒頭の夢のように可憐な小花が揺れて何とも優しいけどシンプルな作画に...」おおかみこどもの雨と雪 むみんはなさんの映画レビュー(感想・評価)
冒頭の夢のように可憐な小花が揺れて何とも優しいけどシンプルな作画に...
冒頭の夢のように可憐な小花が揺れて何とも優しいけどシンプルな作画に思わずうるっときて一瞬で引き込まれました。監督の演出や見せ方、自然や山の神聖さ雄大さ美しさ厳しさの中で助け合って生きてる人達の姿、便利な都会暮らしとは別世界にもう言葉を失いました。
監督が子供時代を過ごした富山県の小さな村で過ごされた体験が描かれてて、おおかみこどもっていうのは抑えきれない生来の野性の本能、闘争心、荒々しさ激しさの比喩かな?って思った。弟の雨君は監督自身で、狐の先生は宮崎駿監督かな?
12歳位で自分の生きる道を見つけて家を出て、暖かく見守って心配するも応援してくれたお母さんの最後の笑顔も印象的だった。
バケモノの子とも繋がってくるけど、渋谷の裏通りに動物人間の住む世界に迷い込んで修行するのも監督自身のモチーフかも。
そしてこの家出する子供達って戸籍がなく生まれて学校にも行かず育って裏社会や特殊な人脈で能力を発揮していく人達の事なんだろーなぁと。。
生まれても戸籍のない人達っているらしいけどそう言うコミュニティがあるのかもね。知らんけど。
細田監督の天才的観察眼とか、演出スタイルとか
山の精霊とか仙人が憑いてる?ホント天才って思う。
スタジオ地図さんも凄い。
監督がアニメーターさん達と信頼関係をしっかり築いてるからなんだろうなぁ。
東京から雪深い富山の田舎に嫁いで父は単身赴任で仕事しながら私と弟を必死で育ててくれた母の姿を思い起こした。一晩で屋根まで雪が積もって雪かきって重労働だから、ご近所さんが雪かき助けてくれたり、当たり前に助け合わないと生きていけないんだよね。
花ちゃんは若いけどいつ倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしながら観てたけど、一人で子供達を育てるために不器用ながらも必死に働く姿は雪も積もらなくて便利な都会暮らしには想像絶すると思うけど。
不便だからこそ、周りの人達の助けや優しさそして交流が力強く生きる糧になるんだね。
花ちゃんや監督のお母さんはずっと田舎で一人暮らしされてる話もグッときた。
監督のお母さん倒れられて田舎で介護するか東京で仕事を続けるか悩んだけど、そのまま東京で企画が通るまで戦い続けるって決めたエピソードも、
雨を追って倒れた母を抱えて人里に戻して山に戻るシーンに描かれてたのかなって胸熱ですね。