「人生の岐路で」おおかみこどもの雨と雪 セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の岐路で
狼男を好きなり、新たな命を育んだ女性の覚悟と、その子供達の人生の選択と成長を描いた物語。
花とその子供の雪と雨。性格も生き方も三者三様ですが、それぞれに感情移入しながら魅入ってしまいました。
物語の前半部は花と狼男との出会いから、ある悲劇を乗り越え、子育てに奮闘するまでが描かれています。ここで感じたのは、孤独と母の強さです。
唯一の理解者であり、パートナーであった彼との突然の別れ。新たな命を独りで背負っていかなければならない重み。不安や孤独がひしひしと伝わってきました。
‘この子達をちゃんと育てなければ’そう誓い、立ち上がった彼女にどれほどの覚悟が必要であっただろう。
幼子の‘秘密’を抱えながらの子育ては本当に孤独。子供が怪我や病気をしても誰にも相談できない。都会から田舎への移住。古屋の改修。荒れ地の農耕。どんな困難な壁も独りで登っていく花。この逞しさはどこから来るのだろうか。母になるとはそういう事なのだろうか。
心の中は不安と孤独でいっぱいだったかもしれない。でも、彼女の奮闘ぶりを見ていると、儚げだった女子大生の影は無く、強く逞しく、そして愛情に溢れた一人の女性が輝いています。
後半部は雪と雨の成長が描かれています。
人生は選択の連続。日常の小さな選択から人生に関わる大きな選択まで。人生の岐路にさしかかった二人の姉弟の決断とそれを見守る母の姿が印象的です。
自分を知り、自己受容し、将来を見定める。そこには不安や後悔もありますが、それを繰り返しながら誰もが成長している。そして、どんな選択をしようともそれを受け入れ、見守ってくれる花のような存在がどんなに心強いことか。
人間として生きていく道を選んだ雪。狼として生きていく道を選んだ雨。選ぶ道は別々ですが、親離れ・子離れし、自立・成長していく中に家族の絆を感じました。
琥珀糖さん、コメントありがとうございます。琥珀糖さんのレビューも素敵でした。読んでて映画を観た時の感動が蘇ってきました。
あり得ない設定ですが、大人の自分が観ても心揺さぶられたり、生き方について考えさせられる素敵な映画でした。
コメント失礼いたします。
とても素敵なレビューですね。
理路整然と内容が的確に書かれていて素晴らしいです。
(偉そうにすみません)
私のレビューにいいね、をありがとうございました。
このアニメ映画は、あり得ない設定(人間の女性が狼の子供を産んで育てる)
それなのに、違和感をまったく感じないのはすごいことですね。
好きな映画です。
共感できてとても嬉しく思っています。