「会議は踊る、されど会議は進まず。」おとなのけんか きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
会議は踊る、されど会議は進まず。
丁々発止、
インテリゲッチャのギャグ満載です。
口角泡を飛ばす言葉の応酬は、誰かの表現だが、「言葉のキャッチボール」ではなくてこれはまさしく「言葉のデッドボール」ですねー(笑)
「スーダンでは~!」
「難民キャンプでは~!」
と金切声をあげる先進的イノベーター、ジョディフォスターに「あんたのお友達のジェーンフォンダは〇〇」とブラックにおちょくる弁護士クリストフ・ヴァルツ。
環境、地域紛争、富の不均衡、株価、ジェンダー、ハリウッドスキャンダル、花、セーターそして希少な画集・・、すべてが戦いのための実弾。何でも有りのつかみ合いの喧嘩です。
偏差値高め。
台本、超厚そう。
俳優たちの実力には腰を抜かす。
あのイーサン・ホークの「ビフォーシリーズ」が嫌いでないあなたなら、きっとハマる。そんな“ウルトラ会話劇”です。
切り上げどころを失った二組の夫婦の喧嘩は、“やれるところまでやってやろうじゃないか”状態で、観客として傍観する僕としては連中のやり合いが可笑しくて仕方がなかったのだけれど、
ゲロよ。
ケイト・ウインスレット様のゲロ、凄まじい。
下着姿もついに平気で晒したり、とうとうド突き合いも始まるし、電話で相手の母親を愚弄までして、これこそまったくみっともない“こどものけんか”ですね。
「お前のかーちゃんデベソ」レベルまで逝っとる訳で。
で、クスクス笑いが止まらないのは、きっとこれは誰しもが思い当たるからなんですね。
「虫の好かない相手」が私たちにも日ごろから存在する。(もしかしたら)こんな収拾のつかない喧嘩を自分もホントはやってみたい、・・そんな憧れが、僕らの心の奥にあるからなんだろうなあ。
違いますか?
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2×2、そして3×1と、この目まぐるしく攻守入れ替わるバトル・フォーメーションの変化は、今をときめくコントグループ「東京03」のセオリーと同じで、僕の大好物です。仲間かと思っていたら次の瞬間には敵になる人間関係。
あのジャニー喜多川さんはフォーリーブス結成に当たって「3人グループでは喧嘩の時に2対1になってしまうから、仲間割れをしても2対2でおれるようにね」と、4人結成にしたのだと。人智ですね。
でもこの映画ではジャニーさんの思いやりはオシャカでした。
「敵の敵は味方」。3対1になったり、4人がバラバラになったり、手を結んだり。
反目と結託の目まぐるしさと言ったら(笑)
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オススメ映画
「スマホ」が小道具になるのは、同じワンシチュ物の「おとなの事情」(イタリア2016)。