ふがいない僕は空を見たのレビュー・感想・評価
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この映画はタナダユキ監督のたぶん出世作となった 「百万円と苦虫女」(蒼井優主演) に続くメジャーヒット映画だと思う。
動画配信で映画「ふがいない僕は空を見た」を見た。
2012年製作/142分/R18+/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2012年11月17日
永山絢斗
田畑智子
窪田正孝
小篠恵奈
田中美晴
三浦貴大
銀粉蝶
原田美枝子
吉田羊
山中崇
梶原阿貴
この映画はタナダユキ監督のたぶん出世作となった
「百万円と苦虫女」(蒼井優主演)
に続くメジャーヒット映画だと思う。
助産院を営む母に女手ひとつで育てられた高校生の卓巳(永山絢斗)は、
友人に連れられて行ったイベントでアニメ好きの主婦・里美(田畑智子)と出会う。
二人は愛し合うようになる。
アニメのコスプレをして愛し合う二人を
隠し撮りしてネット上に拡散した人物がいる。
里美は夫(山中崇)と姑(銀粉蝶)から責められ、
やがて自宅マンションにも住めなくなってしまう。
卓巳の同級生良太(窪田正孝)は貧困に苦しみ、
バイトに明け暮れていた。
母親は家に帰らず、
借金取りは家に押し掛け、
自分は認知症の祖母の面倒も見ていた。
そして大きな事件も起こる。
それぞれの登場人物のキツい現状を見せられて、
なんだか激しい映画だなと感じた。
そして何も解決しないまま終劇となる。
142分と長い映画だが長さは感じなかった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
弱い人間は逃げたくても逃げられないのか。
劇場公開時鑑賞。
複数のストーリーが関連している、好きなタイプのお話。素晴らしい作品だと思うが、ただし性愛の部分が個人的には雑味に感じられた。いい悪いはともかく、溺れてしまう/縋ってしまうのはわからなくもないが、オタク活動自体は単なる道具立てのように見えてしまい、必要性が薄く見えてしまった。
【”生きててね、生きてそこに居て”と不甲斐ない僕に母は優しく言った。今作は、生きる辛さを抱える人々を描くことで、逆説的に、この世に”生”を受ける尊崇さを描いた作品である。】
■無気力な高校生の卓巳(永山絢斗)は、友人に誘われて訪れた同人誌の販売会で、コスプレ好きの主婦・里美(田畑智子)と出会う。
卓巳は里美との肉欲に溺れていくが、同級生の七菜(田中美晴)に告白されたことで彼女との関係を絶とうとする。
しかし、ふたりの情事が里美の夫(山中崇)と義母(銀粉蝶)に知られ…。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
ー 今作には、多くの厳しき日々を送る男女が描かれている。ー
・中々、子が出来ない事を義母に責められる里美。彼女は、その鬱屈した想いをコスプレにのめり込むことで、紛らわせている。そして、知り合った卓巳と男女の関係を持ってしまう。
- 銀粉蝶扮する義母の、彼女に子を要求する姿はホラーのようである。-
・里美との関係がSNSで拡散してしまった卓巳。彼は、学校に行けなくなってしまう。
・卓巳と仲の良い振りをしつつ、男に逃げた母の代わりに、認知症の祖母の世話をする、福田(窪田正孝)
- コンビニでバイトする彼は、卓巳の母(原田美枝子)が気遣って作ってくれた弁当を、無表情に捨てる。そして、賞味期限を過ぎた弁当も捨てる姿。自分が、食に飢えているのに・・。ー
・そして、福田は同じコンビニでバイトするどこか屈折しているあくつと共に、卓巳と里美のSEX写真を嬉しそうにばら撒く。
- 様々な鬱屈を、発散しているのであろう。-
・福田に対して、”学が必要”だと説く、コンビニのバイトの先輩、田岡(三浦貴大)。病院の息子で、金持ちだが彼も又、闇を抱えている事が彼の言葉と、その後に発覚した事実から分かる。
■前半は、観ていてキツイシーンが多いが、原田美枝子演じる助産婦でもある、卓巳の母の、巨木の様な”人間肯定的存在感”が際立っている。
彼女は、卓巳を責める事無く”生きろ”と励まし、認知症の祖母が水道を出しっぱなしにしてしまった、福田の家に弁当を届ける。(彼は、その弁当を貪り食う・・。)
<ラスト、卓巳は母の言葉に後押しされ、学校に行く。いつの間にか、横には福田が並走している。学校に付き、静まり返った教室で揶揄いの言葉を投げつけられるも、彼はその生徒の前に行き、照れ臭そうに微笑む。
そして、彼の担任の女性のお産のシーン。
卓巳は母たちの、助力もあり無事男の子が生まれる。
今作は、多くの生き難い日々を過ごす人々の姿を通じて、この世に”生”を受ける尊崇さを描き出した作品である。>
2.95タイトル負け
タイトルは5点、というかこのタイトルだけで飯が食える。
だが、内容は総じてあまりいいものではない。
個人的に良かったシーンは、何かを変えるために勉強するところ。そして、あの必死さはもし続くのであればあらゆる才能を凌ぐだろうと思った。
あと、「生きて、そこにいて」もいいセリフだと思った。
コスプレ変態ブタ女の話は割愛して、東京グール男の話に専念します‼️❓
余韻に浸れる映画でした
自分だけ不幸な振りしてんじゃねえよ!!
すみません。
不幸な振りをしていました。
完全に濡れ場目的でこの映画を観たことも、この場を借りてお詫び申し上げます。
本当に、申し訳ございませんでした。
僕は、幸せでした。
この映画の主人公といっても決して過言では無い、団地に認知症の祖母と住む青年(窪田正孝)の台詞です。彼の姿が、頭に深く刻まれてしまった。
もう、不幸な振りをしないことを誓います。
周囲に不幸をばら撒いている、頭パッパラパーな方達に、ぜひこの映画を見て欲しい。
命とは、人間の命とは、いったい何なのだろうか?
不妊症の女性。授くことない命。
その姑。生まれてきて欲しい命。
団地に住む子供。望まなかった命。
それでも、どんな命でも、
この世に生まれてきたことは素晴らしい。
生きているだけで、ただ、生きているだけで良い。
それだけで、構わない。
生きよう。
濡場が多くて最初のほううんざりしかけたんだけど、あんずのバックグラ...
重いテーマのフルコース
序盤はほぼAVのように二人が絡み合ってます。
噂に違わぬ田畑智子の濡れ場でした。
この二人の馴れ初めの展開も、視点変えて映してるのが面白い。
やがてこの二人に問題が起きると、別の話が立ち上がります。
卓巳(永山絢斗)の同級生福田(窪田正孝)の貧乏話。
このエピソードが非常にリアルで訴えるモノが多い。
母は離婚して外に男を作り、呆けた祖母をバイトして養う高校生。
耐え難きを耐えているのに何も好転しない。
そして彼が、彼の母に発する。
「何でオレ生んだんだよ」
里美(田畑)は姑から執拗に子作りを要求されるも伴わず、
助産院の息子:卓巳は誰が好きなのか分からず、
福田は自分が生まれてきたことを恨み、
卓巳の母(原田美枝子)は助産院の非力さを感じながらも、
それでも生きることが大事と訴える。
生きることは辛いけど、生きていることが大事。
そのテーマを台詞無しで突きつけられた。
だからラストのお産で泣けた。非常に深い話でした。
一作の映画なのにオムニバス映画に観える作りもスゴイです。
なんで俺を産んだの?欲しがるの?
やるせない物語。なのに、鑑賞後は、ああ、また生きていこうかと、こんなどうしようもない現実なんだけど、生を讃歌したくなる作品。
映画のキャッチコピーが、鑑賞後に胸にジーンときた。性と生。切っても切り離せない、自分の意志だけでコントロールできそうで、できない複雑なもの。
そして、正義面する人の異常さ、後ろ指さされる人々の、その人なりの光の部分。
”男”を育てる母と、”お坊ちゃま(おバカちゃま)”をつくっちゃうママゴン、子を食い物にする妖怪。孫とペットと混同している婆。そしてこれから子を産もうとするおバカ男女ども。たくさんのどこにでもいる親子が出てくる。
どうしようもない、選べない現実の中で、それでもわずかだが自分で選んだ未来を掴もうとする、ほのかに希望が見えるラストが嬉しい。
演出的にも、時折挟み込まれる台詞がとっても効いていた。そしてやっぱり、福田の、助産師・助産師助手の言葉の重み。
とりあえず、パートナーはしっかりと選ばないとな。
バカな恋愛繰り返して、痛い思いして自分と向き合ってでないと本当の宝は見つけ出せないのだろう。
良い映画です。前半がもっと短ければ☆5つなんだけど…。
前半は良かったけど、
ちょっと長かった
どしんっ
追記】田畑智子さんのぬぎっぷりにただただ驚嘆(`´)!!!
さよならみどりちゃん・・での星野真理さん。
TAKESHIS・・での京野ことみさん。
そして・・本作での田畑さん!
(※TANKAの黒谷さんはチト違う気がする・・。)
特に田畑さんの汚れっぷりは凄いぞヽ(^o^)丿
驚いた・・驚いた⌒(^・^)⌒
映画の『スジ・脚本』としては・・
(原作書未読ですが)なかなか奥深い?まさに邦画向きなのかな?と思います。
星☆評価は・・
DVD準新作基準で(*^^)v③(旧作基準では④)
DVD買う度 ◎◎◎◎◎(田畑さんの裸体が、絶妙に生々しい♪)
モ1回見たい度 ◆◆◆◆
おすすめ度 *(※幸せな物語では無いかなぁ???)
デートで見る度 ◇
観た後の行きたいお店】
コンビニヽ(^o^)丿
劇中の・・オリジナルアニメソング???
田畑さんの歌声、かわいかったヽ(^o^)丿
追記】】】
もう一度良く見直して・・・
なかなか良いな。と印象変わりましたヽ(^o^)丿
主人公あんずの気持ち・・分かりませんが・・、でも切なかったです。
再記ですが・・邦画ならではの秀作に思います(*^^)v
性と苦悩と苦悩する生き方
コスプレSEXに耽る主婦と高校生、貧困に喘ぐ同級生…。
タナダユキ監督が、「俺たちに明日はないッス」「百万円と苦虫女」とは違う重厚な演出で、性と苦悩と模索する生き方を描いた群像劇。
登場人物がそれぞれ抱える問題は深い。
アニメとコスプレが好きな主婦・里美は、決して幸せとは言えない結婚生活と執拗に子作りをせがむ姑と不妊治療の重圧から逃避するように、アニメのイベントで知り合った高校生との情事にますますのめり込んでいく。
高校生の卓巳は、里美との関係に後ろめたさを感じ、一度は別れを決意するが、やはり忘れられずヨリを戻す。しかし、ネットで関係をバラされ、不登校になり、自分の殻に閉じこもる。
卓巳の友人・福田は、痴呆症の祖母と団地で暮らし、絶望的な貧しい生活の鬱憤を晴らすかのように、卓巳への嫌がらせを続ける。
息の詰まる閉塞感、周囲の偏見、思い通りにならない人生の不条理…。
体の関係でしか安らぎを得られず、心の闇を行動にする事でしか自分自身を見出せず、悲しみと孤独の中に呑み込まれていく。
やるせなく、痛々しいながらも、現状から抜け出そうと必死にもがく姿は、紛れもなく“生”への衝動だ。
コスプレ姿や全裸のラブシーンを演じきった田畑智子は賞賛モノ。毎日映画コンクール主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞第2位は納得。無視した日本アカデミー賞は重罪。
葛藤を抱える高校生に扮した永山絢斗と窪田政孝の若手二人の佇まいも素晴らしい。
助演陣もナイスサポート。原田美枝子は助産師である卓巳の母を演じ、卓巳は母の仕事を手伝い、出産を通じて“生”への意味を大きく持つ。福田のバイト先の“ワケあり”先輩・三浦貴大も出番は少ないながら印象的。
感動とか清々しさとか爽やかさを感じる映画ではないが、痛切な余韻が深く残る秀作。
ふがいなくしたたか。
一見ふがいなさを抱えているように思われる登場人物たちだが、実のところ
腹黒くしたたかに生きてるのが最大の魅力。主演二人の全裸姿もお見事だが、
耐え難きを耐える窪田正孝が会心の演技。須らく生きて団地の外へ飛び出せ。
出所は選べないが人生は自分で決めろと空が語り、みっちゃんが律する快作。
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