テトロ 過去を殺した男のレビュー・感想・評価
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映画という艶やかさ
ここ最近、『ヴァージニア』、『ドラキュラ』とコッポラの後期(?)の作品を少しずつ観てきているわけですが、この『テトロ』もすごい!! 『ヴァージニア』の方が好みではあるけど、でもこの『テトロ』も十分すごい!!
モノクロで映し出される街中の黒さ、そして被写体への光の射し方が、もう艶やかとでも言いたくなるぐらいの魅力を放ってましたね。艶やかで豊穣で、こんな画面が観れるなら、映画館で観ておけば良かった・・・って、日本公開はかなり期間限定だったのね・・・
アルデン・エーレンライクの魅力はかなりのものですね。巷間言われるように『ギルバート・グレイプ』の頃のディカプリオに近い魅力を感じましたね。あどけない笑い方が特に似てたですよ。
それに、ギリシャ悲劇かとも思われるような主題も、この画の豊穣さとピッタリでしたね。
でも、でも、この映画にひとつ満足できないところがあるとしたら・・・・それは、ヴィンセント・ギャロですね、はい。この作品のギャロは結構評価も高いのかもしれませんけど、私としては彼の映り方にそこまで惹かれなかったんですよね・・・ そこまで謎めいた人物として描かれていなかったように感じたというかね・・・。
コッポラは「私は、この役の彼を見ることで、いくつかの目が開かれることに賭けている」と言ったみたいですけど、んー、少なくとも私の目は開かれなかった・・・ですかね・・・はい・・・。
コッポラは何処へ行く!?
物語は地味に進みギャロの陰気臭い感じに重苦しい雰囲気だがハン・ソロの明るいキャラで興味を持続して観れる。
私財を投じて地味な映画をまた撮ったコッポラだがギャロを主役にした意外性が良かったしドラマはシッカリしているので満遍なく楽しめる。
世捨て人のようなテトロには若干、イライラする。
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