ファウストのレビュー・感想・評価
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悪い夢を色付きで観ているようです。子どもには絶対見せちゃだめ!
芸術性が高いんだろうなあと思いますが、最初っからグロいのと、気分が悪くなるような描写が多いです。
瓶が割れて、ホムンクルスが出てくるところが、もう、頭にこびり付いて一生削除されないと思います。
池に娘さんと落ちるシーンは美しいですが、それが何を描写しているのかを考えるとキモいです。正直変態です。
中毒性が高い映画です。
サイコパス性が高いです。
観た後、しばらくどよーんとした気持ちが続きますが、また観てしまったりしました。
人の心の醜いところを見るような映画なので、子どもには絶対に見せられません。
童貞が目覚める時
願いを叶えるために悪魔と契約する話、ファウスト。
真面目な学者(でも童貞)が主人公。
世の中のあらゆる事が知りたいと、寝食を忘れて学問に励んでいる。
そこにやってきた金貸し(悪魔の化身)が、「真面目ばっかりじゃダメですぜ、いろんな世界を見せてあげましょう」と、学者を連れ廻す。
(連れ廻す先が、おネエちゃんイッパイの所だったり、居酒屋だったり…)
学者はそこで出会ったおネエちゃんに一目惚れ。
金貸しに、あの娘をどうにかしたいと頼み込む。
学者は念願かなっておネエちゃんと一夜を共にするが…。
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ゲーテ原作では、この後も、主人公と悪魔は行動を共にし、第二部へと続いていく。
映画では、この二人が仲間割れ。
「お前、あんまり助けてくれなかったじゃん、役に立ってねえよ」と
主人公は、悪魔をボコボコに殴って岩の中に埋めてしまう。
原作のカナメ「悪魔と人間の契約」は、あっけなく崩れてしまう。
確かに、この映画の悪魔は、間抜けで、役に立ってる感が薄い。
悪魔の力では無く、「何でも知りたい、ヤってみたい」という主人公の欲求が、様々な事を起したと言って良い。
(「ヤってみたい」の結果、娘さんは可哀想なことになるのだが、そのことに主人公はあまり頓着しないのであった。)
悪魔よ、童貞にちょっかいかけて目覚めさせずに、そっとしておけば良かったのになあ。
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映画の中に、現代の科学技術、クローンや核開発(間欠泉の所など)を思わせるシーンが出てくる。
「知」への欲求に従い、科学技術を進歩させてきた現代。開発した先に様々な問題を抱えている。
そんな現代の姿は、後先考えずに「何でも知りたい、ヤりたい」で暴走する童貞と、同じようなものだという、ソクーロフのそこはかとない皮肉に溢れた映画だった。
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すんごくゲージュツ的な映画なんだろうけども(19世紀の絵画を思わせるとか書いた方が正解なんだろうが)、
諸星大二郎先生の漫画みたいな「人造人間」とか、
実相寺監督みたいな「目眩坂」とか、
ただただ、ヒロインが美しいところとか(この美しさは迫力あるなあ)、
変態のストーカーにしか見えない主人公とか、
あと、菅井きんみたいなオバちゃんとか、
そういった描写が、すんごく面白かったなあと思う。
(ソクーロフ監督ファンの方、何だか下世話な感想になっちゃってすみません。)
観る者を選ぶ映画
6月16日、シネスイッチ銀座にて鑑賞。客の入りは一割程度。多大なる忍耐力を要求される140分でした。途中で席を立つ人もいました。冒頭、男性の死体の臓物を掻き分けながら、「魂はどこだ」と懸命に魂を見つけようとするファウスト。この段階で私は気分が悪くなってしまいました。いつものことですが、ソク―ロフの映画には娯楽性は皆無です。物語性も、余りありません。ただ、独りよがりの芸術性があるのみです。ある意味で極北の映画です。今回の映画はゲーテの詩句の中で印象的なものを抽出し、それに見合った映像を撮り、それらをパッチワークのように継ぎ足していったような、
そういう映画です。はっきり言って、失敗作です。勉強が大好きな人には打ってつけの映画かもしれません。ただし、ベルイマンや大島渚やアラン・レネの作品を観る際に要求される思考力は全く必要ありませんが・・・。
退屈でうんざり
墓場で「退屈だ」と葬儀屋がつぶやくのだが、「まったくだ」と頷けた。博士の気色悪さだけは十二分に伝わる。全編ほぼ半開きの口、マルガレ−テに触る痴漢テクニック(匂いをかぐ仕草)など変態そのもの。九条のロシア映画特集に行くのを躊躇中。
夢のような140分
『ファウスト』夢をみているようでした。それは幸せとか楽しいという意味ではなく、幻想的、想像的、絵画的、詩的で風や匂いを感じそうな感覚。好みが分かれるでしょうが、2011ヴェネチアGP受賞作。パンフレットを買ってしまいました。
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