「ウォール街を舞台にした映画としては、特筆に値する傑作では無いかな。」マージン・コール 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
ウォール街を舞台にした映画としては、特筆に値する傑作では無いかな。
金融危機の初期段階だった2008年を舞台に、巨額の不良債権を売りぬくことで、市場と顧客の信頼を失い、従業員の大量解雇が変わらずとも、会社を存続させようとする、投資銀行の内幕を描いた実録ドラマ。
経営陣や幹部行員の自己保身や責任のなすりあいを通じて、非倫理的で腐った権力構造を、実にリアルな描写で冷静に描いている。俳優陣の素晴らしいアンサンブル演技も、本作を引き締まったものにしている。
ケヴィン・スペイシー、ジェレミー・アイアンズ、スタンリー・トゥッチなど、ベテラン俳優陣が堅実な演技をしているし、デミ・ムーアやサイモン・ベイカーなども、作品に貢献している好演だ。
ウォール街のシビアな現実を描いた作品としては、特筆に値する傑作では無いだろうか。非常にスリリングで最後まで見ごたえのある、オフィス・スリラーといえるような、企業ドラマの傑作だ。
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