「素晴らしい友情」サニー 永遠の仲間たち 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしい友情
この映画の登場人物と恐らくタメ年の現在43歳であるため、尋常ならざる気分で見た。しかし自分にはあのように一緒にケンカしたり踊ったりした友達なんかいなくて、薄く一緒に釣りに行ったり完成したプラモを見せ合ったり、映画を見に行った友達がいたくらいだった。部活の友達ともすっかり疎遠になってしまった。
しかし映画の中の彼女らも、当時ほんの一瞬友情を築いたきり、それ以降は現在まで没交渉であったので、彼女たちが特別熱い友情で結ばれていたわけではなく、誰にでも当てはまる物語を描いていた。友情とは一体なんだろうという問いに対する答えが見つかるような素晴らしい映画だった。
MTV世代直撃の映画ではあるのだが、当時のMTVヒット曲は一切掛からず、タイムアフタータイムも別バージョンで、韓国のヒット曲は馴染みがなく、タイトルのsunnyは当時でも懐メロで、同世代だからと言っても音楽を共有する感覚はなかった。
86年当時のダサすぎる服装が一点の曇りもなくダサく再現されていてすばらしかった。当時の目線になりきって描いているのだろう。86年の描写なのに字幕で「プチ整形」という最近の用語が使われているのは、字幕スタッフもっとちゃんとして欲しかった。
実際、韓国とはいえ女子高生があんな暴力を振るうのはいくらなんでもファンタジーではないかと思うのだが、韓国の動画でいじめの場面が度を越えて激しいのを思い返すとあながちファンタジーとも言い切れないような気もする。
まだ見てない人、この映画は古い友達とぜひ一緒に見に行ってください!
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