「青春は人それぞれだとは思うけど」サニー 永遠の仲間たち つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
青春は人それぞれだとは思うけど
青春映画、というジャンルにとって外せないのは「懐かしい」という感覚だと思う。狭い人間関係の中で展開する「青春映画」を、爽やかな後味で楽しむ為の必須スパイス。
振り返ってみれば、「青春映画」とされる作品の中で最高だ!と思えるのは基本的に「みんなで頑張る系」の部活ものが多い。
それはきっと自分の青春とクロスオーバーする部分が「みんなで頑張る」のところにあるからだ。部活でも体育祭でもバイトでも良い。何かに一所懸命だった、悔しさや喜びを分かち合った、思い返せば輝いていた時代感こそが青春の肝なのだと、真面目にそう思っている。
で、「サニー 永遠の仲間たち」である。
ジャンル的に確実に青春映画だと思うのだが、全く懐かしさを感じない。
笑える部分はある。でも泣くほどの感動は味わえないし、自分とクロスオーバーする部分もない。
あんまり「輝いていた時代」感もないしね。
最近の映画にしては「母でも妻でもない、私」というテーマの掘り下げもなく、これで楽しめと言われても苦笑いしかない。
「Time after time」から始まるオープニングや、エンディングに使われる「Sunny」、デモ隊の背景に「ロッキー4」の看板など、ベタな演出は割と好きだが、イマイチ感情が乗ってこないんだからしょうがない。
ちょっと擁護すると、私よりさらに年代が上の、全共闘時代の方は社会情勢とかファッションとか、通じるものがあって楽しめそうではある。
日本版が評判も良く、興味が出て観ようとしていた矢先に観た、さらに評判の良い韓国版だっただけに残念だ。
日本版は…もうちょっと後回しにしようかな、と思ってしまった。
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