苦役列車のレビュー・感想・評価
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僕も30年前に戻りたい…傑作の青春映画
芥川賞作家・西村賢太の同名受賞作「私小説」を映画化。
西村賢ちゃんの単行本になった作品はすべて読んでいるオイラにとっては、かなり不満の残る作品だろう…、と見る前に想像した。
主演の森山未來は、原作者の賢ちゃんのイメージから遙かに遠いし、原作の主人公のように、コンプレックスの塊の青年を演じる演技力なんてないだろう…とも思っていた。
そういう予想はすべて裏切られた。
西村賢ちゃんは、オイラより5歳年下だが、映画では彼の青春期(オイラのでもある)1980年代半ばの空気を大変よく再現した。
小道具なんかも、当時の酒や清涼飲料水の容器も再現したのか、持ってきたのかは知らんが、同時代を生きた人間には、「わかる、わかる」と思える映像だ。
監督は30代半ばというのに、あの時代に青春期を送ったかのようにうまく描いている。
森山も、しっかり役作りをしてその演出に応えている。
映画は原作とは別物で、うまく「青春映画」として、西村賢ちゃんの世界を租借し、映像の形で昇華した。
青春映画特有のやるせなさが過不足なく描かれているし、ユーモアと苦み、ほんの少し見える将来の明るさもちりばめて、見るものを納得させてくれた。
見て損はしない作品だ。
前田敦子も下着姿を披露して、期待度大だよ!
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