苦役列車のレビュー・感想・評価
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なんの予備知識もなく観て、最初は少し引き気味。森山未來演じる主人公...
なんの予備知識もなく観て、最初は少し引き気味。森山未來演じる主人公があまりにも下品で不気味。自分なら絶対に近寄りたくないタイプ。
でもやっぱり共感できる部分とかはたくさんあって。人間臭さ全開(いや150%くらい)。なんでこうなっちゃんだろうかってことがたくさん描かれてる。でもそれは人生もそうだもんね。
好きな映画ではないけど、衝撃的であったし、シナリオも良かった。なにより演技が素晴らしい。
なにをやっても、誰と付き合っても不器用で、自分から失っていくものば...
なにをやっても、誰と付き合っても不器用で、自分から失っていくものばかりの中卒人生。
仕事からはなにも得るものもなく、抜け出せないそのスパイラルがよく伝わる。
周りが一歩一歩自分の夢の実現に向けて動き出しているのを目の当たりにすると、そりゃやけっぱちになるよね。
愛したいのだが。
非常に良い映画だったと思います。
でも、愛すべきクズなのかと言われたら、本当ただのクズなろくでなしの役です。「こんなクズだけど、愛しちゃう」そんなんじゃなくて、「ほんとにクズじゃないか、でも、わかるよその気持ち」っていうそういうタイプの役だったと思います。
何よりもこういう役の森山未來観ると、さすがだなぁと思っちゃう。本当に彼は足の先、指先まで演じる役者のように感じる。一番は、弁当やご飯の食べ方がすんっごいうまい!!!!!と思うの。
あとは、前田敦子の昭和の感じは非常にこの映画の雰囲気を作っていたとも思います。高良くんも、かんたと対比なタイプの役で、とても良かった。
客観的にこのかんたを観るのではなくて、自分がその立場にたっているような見方をさせてくれる映画だった。
徐々に惹きつけられる
あまりのクズっぷりキツイ現実に最初の方で観てる時間がもったいない他の作品を見ようかと思ったけどもうちょっと我慢して見ようと見続けたら気が付いたら最後まで見ていられた。下品で貧乏でキツくて汚い景色が続くのも男の監督ならではな感じだけれどもそれでも最後まで見られたのはそこに人の真実が在ったからだなといろんなシーンを思い出しては思う。考えたらまだ19歳だったんだしいくら世界が過酷でも絶望するにはまだ若すぎるなと、もっと早くに気付くべきだった。
愛すべきクズ映画
サスペンスでもド派手なアクション映画でもないのに、終始ハラハラドキドキさせられる映画でしたw
原作未読で比較はできないし、よくわからないけど、主人公のクズっぷりが、かなりのあるあるで、冒頭ののぞき部屋から始まってありとあらゆるクズ要素がふんだんに描かれています。特に気になったのはご飯に醤油と味噌汁をぶっかけて食べるシーンが最高でしたwww 森山君の演技には圧巻という文字が似合います。
ただ山下監督もちょっと悪意があるのかバカにするにも程があるというくらい、全体にイキキッテル感を感じました。
サブカル大好きな渋谷系知的イケメンより、よっぽどこの主人公の方が大好きです!
俺もたぶんバカにしてんだろうな(^^;
『苦役列車 』が悲惨にみえないのは、“友ナシ、金ナシ、女ナシ”でも“若さ”があるからだろうと思った話
原作との比較による賛否はあるようなんですけど、原作未読で思い入れのない僕にとっては、楽しめた映画でした。
映画.comのレビューなんかでは、主人公がクズ過ぎて感情移入できなかったという感想をちらほら見かけました。僕はちょっと変な感想なんですけど、
もし自分が俳優だったら、いちばん演じてみたい主人公。
でしたねー。
こういう人が身近にいて、友達になりたいか?っていったら絶対イヤです。
また自分の人生をやり直すとしたら、こういう生き方したいか?っていったらそれも絶対イヤです。
でも、言うことのゲスっぷり、行動のクズっぷり、森山未來の演技もスゴいんでしょうけど、自分が「言えないこと・やれないこと」がどストレートに描かれていて観てて痛快でした。「映画の演技をしているんです」っていうエクスキューズがあるなら、是非こういう人間になってみたい!と思いましたよ。
決して「不器用だけど根はいいヤツ」とか「貧しいけれど頑張ってチャンスを掴むヤツ」とか「女にはモテないけど、純情なヤツ」とかでは全くないです。また逆に「完全にアウトロー」でもないのも、偽悪的なニヒリズムでなくてイイのです。
主人公が(文字通り)裸一貫で小説を書き始めるというラストシーンを指して「安直な青春映画に成り下がった」という感想も耳にしましたけど、それは私小説の原作者である西村賢太と繋げた「メタ視点」だと思います。一本の映画としてみるなら、「かつて見下していたオッサンが夢を叶えやがった。だったらオレも小説を書こう」というラストになったわけで、それ以降どうなったかというのは、別に西村賢太の現在に繋げなくても、観客の想像に委ねられてると解釈していいわけです。映画が安直なのではなくて、主人公が安直だってことです。
でもその安直な主人公が、さほど悲惨にみえないのは、なんたってまだ若いってことですよね。友達がいないとか金がないとかって苦しがってても、19歳ですからね。ラストが3年後に飛んだのを考慮しても22歳。圧倒的な“若さ”という財産を持ってるってことですよね。
41歳から人生やり直した僕と較べて見みたら、その差約20年間。20年間もあれば、何かを見つけて、それを身につけて、何かのカタチにするまでの期間としては充分に潤沢です。
その“若さ”という財産の価値は、若さゆえに認識できず、活用しにくいというのは人間の皮肉な特性ではあるんですけどね。
主人公萌え
こんなに最低なクソヤローが主人公な映画も珍しいかと思います。
歩き方、飯の食い方、タバコの吸い方、どれをとっても素晴らしかったと思います。
頼む!
早く小説家を目指してくれ!
それか自殺してくれ!
もう迷惑かけないでくれ!
とヒヤヒヤしながら観てました。
サブカルクソ女描写も良かったです。
よかった!
森山未來という役者は本当に只者じゃない超一流だなぁと改めて思った。
完膚なきまでこじれきった役柄、ドン引きな台詞と表情、なんの違和感もなくやってのけるってすごい。
前田敦子もしっかり女優だね〜。
いいのか悪いのかって感じだけど、全くアイドルっぽくない役が妙にしっくりきた。
最後、貫多が柄にもなく「ありがとう」なんて言うからもしや死んでしまって終わりか?と思ったら、突然の落とし穴な展開で目が点。でも笑った〜
足怪我したオッサンが飲み屋で貫多に「いいことなんかなんにもねえぞ」みたいなこと言ってるシーン、ここ毎日考えていたことと絶妙にマッチして嘆息。
前に、小説の月刊誌で読んだ西村賢太のインタビューかエッセイで、いかに世田谷と下北沢サブカルが嫌いか熱弁してたのを思い出して、本棚を探してみたけどなかった。
原作を書くに至った経緯と、そこにこめたメッセージがどんなものか知りたいなー。
私の勝手な感想だけど、
「全てを失って落ちるところまで落ちないとやり直すことはできない」
っていうんじゃなくて、
「落ちれば落ちるほど辛いし多くを失うけど、その分、反動で高いところまでいけるからとりあえず死ぬな」
みたいな、究極にくすぶってて痛々しいんだけど最終的にはなんかポジティブな気持ちになれる映画だった。
後味が悪い
愛すべきろくでなし…ですかね?
主人公の性格が悪くて、全く感情移入ができませんでした。
特に大きな展開もなくて、途中で少し飽きてしまいました。
テンポが悪かったです。
ただ森山未來さん高良健吾さんの演技や、昭和の時代背景は素晴らしかったので、雰囲気を楽しむだけならいい映画かもしれないですね。
海のシーンは映画的だった
テレビで日本アカデミー賞見てたらこの映画の映像が流れ、
以前に西村賢太がボクらの時代って番組で話してたのを思い出した。原作は未読だが、観てみたいと思ったのはそんな理由。
私小説が原作なので主人公=原作者と理解してないとまったく共感できないかもしれない。
最初からクズな主人公は目覚めたりせず最後まで屑のまま。
想像していた以上の事は起こらず堂々の地獄めぐり。
自分に重ねて見てしまい、かなり重い気分になった部分も。
背中で語るラストも、結局自分でやるしかないという結論。これは重いよ。
森山未來は愛されにくい役を全力でやってた。
あとマキタスポーツが凄く良かった。この映画のために作られた役だろうか?
前田敦子は可愛く撮れてました。
あえて言おう、クズであると!
日雇い労働の青年・北町貫多は、父は性犯罪者で中卒、学ナシ金ナシ友ナシ女ナシ、あるのはひがみとコンプレックスと愚痴だけ。稼いだ金は酒と風俗に消える。そんな貫多に、初めて友と言える存在と気になる女の子が出来…?
最近クイズ番組でよく見かける西村賢太の芥川賞受賞作を、「天然コケッコー」「マイ・バック・ページ」の山下敦弘監督が映画化。
共感と不快感が絶妙にマッチした、不思議な魅力の青春ドラマに仕上がった。
主人公の貫多は、あえて言おう、ろくでなしであると(笑)
その徹底したダメダメっぷりは逆に天晴れ。
友達=自分にとって都合のイイ人、女=ヤらせてくれる人、物事全てにおいて卑屈な考え。夢も無く、薄汚い底無し生活を自堕落に生き、自分の愚かな行いでせっかくの友達も失う。
本当にダメダメのろくでなし、いや、もっと言うと、クズ。
だけど、何故か嫌いになれない。
自分の中にもクズな一面はあるし、世の中案外こういう人間いるんじゃないかな? 最も、ここまで酷くはないが(笑)
1980年代の若者ながら、自分の方向性を見出せずネガティブで人との付き合いも下手、その姿は現代の若者にも通じる。
堕ちる所まで堕ちても、それでも“唯一”と言えるものがあった。それは、本。本を没頭して読んでいる時だけは、ひたすら純粋だ。そして自分も何か書き始める。
クズはクズなりに不器用に生きている。
押し付けがましくメッセージを訴える映画なんかより、背中を軽く一押ししてくれるようなエールが身に染み入った。
貫多を演じる森山未來が素晴らしいまでに巧い!キネマ旬報主演男優賞おめでとう!
貫多とは対称的な好青年・正二役の高良健吾の受け身の演技も絶品、ウザい同僚役マキタスポーツも印象的。
そして、前田あっちゃん。映画オリジナルのヒロインで、賛否両論だが、良かったと思う。手を舐められたり、下着姿で冬の海を泳いだり、見事な頭突きを食らわせたり、今回のようにイイ作品と役に恵まれれば女優として開花しそう?
大根なんか一人も出てないですよ
ただし大根仁は絶賛してますね(^_^;)
今の世の中「こういう場合にはああすればいい」「こう言われ
た時はこんな風に切り返せばいい」と顔も名も知らぬ人がネット上で無難な
対応をアドバイスしてくれる。
でも主人公はごく狭い世界の中で、その狭い世界の中ですらうまく泳げない。
KY(空気読めないヒト)と無頼というのは似て否なるもの。
無頼だと思って近づいてくれた友も、ただのKYだと知って離れていく。
なんとなく社会に適合してなんとなく周りに合わせて無難に生きる
のとは対照的な生き様を泥臭く汗臭く描いてる。
経験や知識が足らずにうまいやり取りが出来ず未熟で不器用な様を
ヒリヒリと森山未來が好演してます。
多種雑多の本を沢山読んでたらこうはならないんじゃないか、とも思うが
描かれた時期の主人公はまだ読む本も偏ってたんでしょうね(^_^;)
映画らしい映画で観る価値大だと思います。
光を照らすエンディングで鑑賞後の印象も悪くありません。
極楽絵巻みたいでビーチクが話題の写真集みたいなのが
同じような時期に公開されてますが
こっちの映画の生々しさはその比ではありませんよ♪
生々しいビーチクも出てきますw
評価が5じゃないのは、煙草吸ってカップ酒をあおりながら鑑賞で
きる劇場ではなかったからです(もうないか、そんな映画館w)
嫌いにはなれないクズ
何よりもまずは森山未來だと思う。体付き顔付きからして説得力をもたせる役作り、演技。高良健吾も良い、前田敦子も異物感なく作品に入り込んでいる。端役の絶妙なブス加減や、物語上もっとも貫多に影響を与えてると言っていいマキタスポーツもかなり良い。物語は裏「モテキ」的な側面のある作品。サブカルクソ女を詰るシーン、雨の中で康子とのキスシーンでのオチ、この辺はニヤニヤしながら観ていた。ラストシーンの演出上のジャンプから貫多が取る行動、これが貫多や高橋と他の人間を分ける点だと思う。何も無くなった時、”普通の人間”であるサブカルクソ女や正二や康子とさして変わらない自分はどう生きればいいのだろうと考えた
原作者は不満?でも観客は幸せ!
まず、役者がいい。
主演の森山未來はもちろん、それ以外の役者が個性的。画面に映り込んでくる登場人物が皆味わい深い。
なかでも、マキタスポーツはよかったなあ。
あと、あっちゃんの出演シーンはとてもいいシーンなのでAKBファンは安心して観に行くといいと思います。
美術・衣装も完璧。
ちゃんと80年代になってた。つっこむところなかったです。
キャラクターごとに気配りされた衣装はそれだけで登場人物の設定を物語っています。NCAAの缶ジュースとか細かすぎ。
シンコの音楽は、特にラスト近くはシンコの音楽でよかったなと思った。シンコじゃなかったら違う印象の映画になってしまってたかも。
原作者は不満だったようだけど、原作者が気に入ってるけど面白くない映画より、原作者は不満だが心底面白い映画のほうが観客は幸せなんじゃないかな?
原作にとらわれない脚色をした脚本のいまおかさんもほめないと。
しかし、このくっさい映画をなんでここまで愛おしい作品にできるんだろうか。
この監督の作品は何本か観てきましたが、全くはずさないです。
やっぱりすごい才能なんだと思います。
全体に流れるユーモア感覚は天才の証です。
巨匠と呼ばれる監督の映画はどうしても後追いになってしまう僕ら世代ですが、リアルタイムでこの監督の作品を観れるのはもの凄くラッキーで誇らしいことなんじゃないかと思うのです。
青春のやるせなさ
山本未来さんが気持ち悪い男を熱演していて、本当に変な顔や姿勢やしゃべり方を徹底していた。また舞台が80年代の後半という人類が史上最もダサかった時代で、『タイムマシンはドラム式』のように美化することが一切なく、徹底してダサくシャツをスリムジーンズにインしていて見事だった。
原作の西村賢太さんはこの映画をとても気にいらなかったそうなのだが、どこが嫌なのか気にして見ていた。とはいえ、オレは原作を読んでいないのでなんともいえないけど、すごくいい映画だった。青春のやるせなさや儚い友情が描かれていてとても胸にしみました。原作も読んでみたくなりました。
また、ヤリマンの女とその彼氏と動物ごっこする場面はスクリーン全体が発狂していて爆笑した。
マキタスポーツさんの人足役も素晴らしかった。高良健吾さんのメンズノンノの出ていそうな古いタイプのイケメンぶりもすごかった。前田敦子ちゃんもとてもかわいらしく自然で、映画に溶け込んでいた。
ただ、かっこいい山本未来さんや前田敦子ちゃんを目当てに見に行くお客さんは相当がっかりするんじゃないでしょうか。そんな意味でも攻めています。
贅沢を言えば80年代の景色の引いた絵が見たかったし、山本さんも素晴らしいけど本物の不細工役者、例えば『おんなの河童』の梅沢くんなどが主演したものも見てみたい。
僕も30年前に戻りたい…傑作の青春映画
芥川賞作家・西村賢太の同名受賞作「私小説」を映画化。
西村賢ちゃんの単行本になった作品はすべて読んでいるオイラにとっては、かなり不満の残る作品だろう…、と見る前に想像した。
主演の森山未來は、原作者の賢ちゃんのイメージから遙かに遠いし、原作の主人公のように、コンプレックスの塊の青年を演じる演技力なんてないだろう…とも思っていた。
そういう予想はすべて裏切られた。
西村賢ちゃんは、オイラより5歳年下だが、映画では彼の青春期(オイラのでもある)1980年代半ばの空気を大変よく再現した。
小道具なんかも、当時の酒や清涼飲料水の容器も再現したのか、持ってきたのかは知らんが、同時代を生きた人間には、「わかる、わかる」と思える映像だ。
監督は30代半ばというのに、あの時代に青春期を送ったかのようにうまく描いている。
森山も、しっかり役作りをしてその演出に応えている。
映画は原作とは別物で、うまく「青春映画」として、西村賢ちゃんの世界を租借し、映像の形で昇華した。
青春映画特有のやるせなさが過不足なく描かれているし、ユーモアと苦み、ほんの少し見える将来の明るさもちりばめて、見るものを納得させてくれた。
見て損はしない作品だ。
前田敦子も下着姿を披露して、期待度大だよ!
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