「モノクロの美学」アーティスト 玉川上水の亀さんの映画レビュー(感想・評価)
モノクロの美学
久しぶりに本作品をスクリーンで鑑賞。
このアカデミー賞5冠に輝く本作品は、3D版でCGてんこ盛りのハリウッド主流映画と真逆の作り方をしている。
色を無くしてモノトーンで、音声をなくしてサイレントで、正に「マイナスの美学」の作品。
ミシェル・アザナヴィシウス監督は、単なる懐古趣味で撮るのではなく、最新技術を使い、セットや小道具&大道具に拘り、新しい「サイレント映画」を作っている。
モノクロだからこそ、光に拘り、白から黒へのグラデーションに拘り、無声映画だからこそ音楽や字幕に拘っている。
台詞で表現できないからこそ、出演者の仕草や表情等の演技がものをいう。
ストーリーやテーマは、過去の名作で何度も取り上げられているので、目新しくない。
それでもなお、この作品に観客が魅了されるのは、そこに映画に対する深い愛があるからだと思う。
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