「まどろみと夢うつつ」ライク・サムワン・イン・ラブ Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
まどろみと夢うつつ
夢と現実の区別がつかないような演出で、窓の内側と外側が映画的な表現で綴られる。
オープニングのバーの会話、タクシーの車窓から見る靖国通りのネオン、ロータリーにはなぜかふるさとの静岡駅前の銅像、その前に座る祖母。終始自分で何もしないアキコ。全て不気味。
まどろみながら着いたのは横浜の大学教授の家。奥さんの話とか絵の話を聞いて、また眠る。翌日学校まで送ってもらう。
学校の前でタカシはノリアキを車に乗せる。
ノリアキにウソがバレそうでヒヤヒヤするアキコ。知性豊かなタカシはケ・セラ・セラと言うけれど、経験の浅い若者のエネルギーを言葉でなんとかできるわけがない。
工場に入庫したタカシの昔の教え子がこれまた不気味。タカシの家を知っていると示唆。
六本木と横浜がやけに近い。夢の中ってこんな感覚かなと思っていたら、突然、運転するタカシに睡魔が襲う。信号待ちでウトウトしていると後ろの車のクラクションで目覚める。〝この夢はもうすぐ終わりますよ〟の合図だと思った。
隣の老女の小窓が内側と外側をつなぐように、内界と外界を隔てていたタカシの窓は破られ、強制的に夢が終了した。
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