「あなたはスープを飲みますか?」スープ 生まれ変わりの物語 うさぎちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたはスープを飲みますか?
この映画の原作は「生まれ変わりの村」という本で、森田健さんの調査データが、物語のベースになっている。つまり、事実が元になっているということだ。
あの世には、この世の記憶を消す「スープ」があり、そのスープを飲まなければ、前世記憶を持ったまま、生まれ変われるという。
映画では、娘に会うために、スープを飲まずに生まれ変わる主人公と、「前に進むだけが人生だから、過去の記憶は邪魔なだけ」という、主人公の上司を軸に物語が展開される。
生まれ変わった先で、登場人物たちは、高校生として再会して、同じ時の中を生きる。
これが、なんともさわやかで、清清しかった。
そして、主人公は、娘と念願の再会を果たす。父の姿は高校生で、娘とは年齢は逆転しているが、姿は違っても、父は父。。父が娘に送る薔薇の花束が眩しく、自然と涙が溢れた。
登場人物たちは、皆、それぞれに、つらさや葛藤を抱えている。主人公は、あの世でスープに秘密をおしえてもらうために、ある人を訪ねるが、その観に案内をしてくれた女の子は、自殺したという。そして、スープの秘密を知っていたその人物も、スープを飲まずに生まれ変わることのつらさを話していた。
ところで、原作「生まれ変わりの村」では、生まれ変わることは嬉しいし楽しい、そして、「今幸せ」という人は、98%であるということだ。
-あなたはスープを飲みますか?
この映画から問いかけれたわけだが、まずは、スープの情報を知った、ということの意義は、大きい。
本当に問われたとおもいます。私はスープを飲まないと決めています。
忘れたくないことや、会いたい人がいるわけではありません。私は私に会いたい。
この映画は本当に幸せな気持ちになります。ラストシーンがいいからなのか、何も死すら否定していないからなのか、恋した少女みたいに小指の先までもジーンとなります。
そのジーンをまた体験したいです。
私は一人でも多くの人にこの映画を見てほしいとおもっています。そしてスープのことを知って欲しいと思っています。
うさぎちゃんさんのこのレビューに同感します。