「恋愛なんて他人から見れば喜劇なんだよ。」終の信託 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛なんて他人から見れば喜劇なんだよ。
尊厳死。安楽死とは若干違い、延命措置を拒否して安らかな死を望むと、患者や家族から意思表示してはじめて認められるもの。法的判断の詳細については検察庁での大沢たかおがしつこいほど力説していたが、なかなか覚えられない。とにかく、意思表示=インフォームド・コンセントがなされて成立するものだ・・・母親の入院の際、何度もハンコを押さされたことまで思い出した。作品の設定では2001年ですが、今の病院では徹底しているのだ。
単純に考えたら、草刈民代演ずる折井医師はちょっとしたことで心が折れるほど弱い人間。東大医学部出身で頭脳明晰、優秀すぎる医者なのだが、不倫志向のある世間知らずのお嬢様だったに違いない。ただ、自分も死ぬ際にはこういう女医に看てもらいたくなる女性でもある。
『Shall we ダンス?』以来16年ぶりの共演となる草刈、役所コンビと周防監督。明るい過去作とは打って変わって陰湿なムード漂う病院でのやりとり。『それでもボクはやってない』で警察・検察の取り調べと同様、司法の矛盾についても問題点を投げかけているようですが、ラストの大沢たかおとの演技合戦だけでしかメッセージが感じられないのが残念だ。
それにしても役所広司の心肺停止状態、死の直前のリアルさや、大沢たかおの人間味の無い無機質な検事が印象に残ります。草刈民代もヌード・濡れ場を披露しているのですが、彼女の実年齢が気になってしょうがなかった。鑑賞に耐えうる最後の年齢という意味で、体当たり演技をするようにと夫でもある周防監督に尻を叩かれたのだろうか。検察でのシーンはともかく、若く感じられましたよ。
観ているときよりも後からじわじわと終末医療のことを考えさせられる作品。演技力もさすがだと思いますが、実際の医療現場をリアルに再現していることにも驚きました。視覚と聴覚のエピソードや満州で妹を亡くしたエピソード、それにオペラ「ジャンニ・スキッキ」の話など興味深いところ満載。でも、一番凄いと感じたのは几帳面な八木。裁判所で提出されたのは61冊の闘病日誌。最後の一言だけが救いとはなったけど、「リビング・ウィル」についても考えさせられるなぁ・・・遺言書みたいけど。
きりんさん、明けましておめでとうございます。
いやはや、草刈さんは見事でしたね。奥さんを平気で裸にすると言えば、真っ先に伊丹十三監督を思い出してしまいますが、やっぱり役者魂ってのがあるのでしょうか。
レビューとレビュアーさんの記事はググってみると楽にたどり着けます!ただし共感するにはアプリでなくブラウザ画面になるので、あらためてサインインしなければなりません。面倒でなければその検索をオススメします。
「終の信託 kossy」ってな感じで。
今年の大河ドラマは麒麟がくる!きりんイヤーとなりますが、ますますのご活躍を期待しております。
明けましておめでとうございます
これ見ました。(無レビュー)。
さめざめと泣く草刈民代は大柄な人なのにどんどん小さくなって見えましたよね・・
大沢くん、そんなに民代ちゃんを苛めないで!(汗)
僕の今年の計画は
①正式な遺言書の作成(口座を凍結される面倒を防ぐための数行物)。
②延命謝絶と緩和処置について、家族や医師や救急隊員に迷惑をかけずに済む明瞭な意思表明書の作成。
③下書きはとうに出来上がっている「主戦場」のレビューの完成
― こんなところでしょうか。
草刈民代についてはご機会があれば「ダンシング・チャップリン」をどうぞ、彼女がモノホンのバレエダンサーであることに圧倒されるドキュメンタリーです。もちろん監督は周防さんね。
御コメント
〉監督に尻を叩かれて濡れ場とか、
〉臨終は女医指名とか、
年初めの爆笑しました~
ちなみに僕の献体&解剖実習の希望は東京女子医大です、ほぼ変態です。
それにしてもkossy さんのレビュー数の凄さ、恐れ入ります!
で、映画ドットコム事務局にはお願いしてあるのですが「僕がチェックした作品についてフォローさん・フォロアーさんの[レビューの有無]が画面上に表示されてすぐにそこにリンクできるシステムへの改善」。欲しいですねー。
kossy さんはどうされてます?こちらはスマホ一本です。膨大なるkossy さんのレビューリストへの捜索は半ば諦めてます(笑)
では今年もよろしくお願いいたします。