「後半の蛇足感」終の信託 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
後半の蛇足感
尊厳死、安楽死、その人らしい死。永遠のテーマ。解決不能。
管につながれた肉の塊になってまで生きたくない、秦三は言った。
そんなことは誰しもが考えることであって、
死の間際になったらホントにそう思うのか?検事が尋ねる。
呼吸器外したら苦しみだしたのは生きる意志があったからじゃないのか?
検事が詰める。
折井は返す。
命の尊厳を守るのはその人の幸せのため、
意識が無くても意志はある、だったかな。
自分の考えを加えるとすれば、
生あるモノが生きようとすることは本能的なことで、
そこには意志、理性は無い。
苦しんだから生きたいと望んでいたとは考えにくい。
じゃあ怪我とかで苦しんでいる競走馬の様に、
薬剤投与の安楽死は医療行為なのか?
そこは司法判断では殺人になるんだろうなあ。
基本的には折井に肩入れしたくなる話だが、
折井の独断であることは否定できず、
家族の同意も何かぼんやりしてる。
そもそも江木一家のキャラの弱さが問題。
話としても、「それでもボクはやってない」みたいな、
検察の揚げ足取りの強引さを誇張してる感じで、
またそーゆー話か、としか思えなかった。
だから前半の折井と秦三の話だけで済まして、
「この後折井はこれこれこーで…」とかで説明だけで、
後半の検察場面は無くても言い。
どーせ最後はアレなんだから。
故に、大沢たかお要らない。浅野忠信も要らない。
特に大沢は急に口調変わったりとか、
要らないところで動揺してたり怒鳴ったり、
すごく嘘くさい検事になっちゃってる。要らない。
草刈さんはやたら早口で口角狭く台詞が聞こえない。
字幕付きで見ることをお勧めします。
良かったのは役所さんですね。泣かせる。
この人はこーゆーいい人が合ってる。
「渇き。」のクソ親父は無理がある。