終の信託のレビュー・感想・評価
全33件中、1~20件目を表示
尊厳死のテーマとは違う目線
個人評価:3.7
「Shall we ダンス?」の3人が全く違う内容で再集結。ヘヴィな気持ちを残したまま物語は終わる。原作は未読だが、違う角度からでも見れる余白を周防監督は残していると感じた。
尊厳死のテーマとは違う目線。それは女医の人間の弱さや、男性への強い依存を描いている点だ。
病室で子守唄を歌い寄り添っているシーンの後に描かれた、奥さんが看病している様をドア越しで見つめる描写。あれは女としての嫉妬にも感じ、自分だけに明かした男の秘密を抱えたまま、独占欲からくる殺人も影を潜めている。
尊厳死と同時に人間の弱さと怖さを私は感じとりました。
「自分の死に方」を考えるには好個の一本
本当に意思の強い患者だったのですね。江木秦三(役所広司)は。自分の末期をこんなにしっかりと見定めて「ぶれない」ことに、心を打たれました。
もちろん評論子自身も自分の「死に方」というのは分からないのですが、交通事故による不慮の急死でもない限り、こんなにしっかりと腹をくくることはできないようにも思います。
おそらくは折井医師(草刈民代)は、医師としては優秀・有能という設定ではあったと思うのですが、反面、同僚の高井医師(浅野忠信)との関係でも、自分の「位置関係」を見定めることのできなかったという「弱さ」が、結果として江木の意思の強さに押し負けしてしまい、本作の結果に至ったのではないかと思われてなりません。 (その意味では、塚原検事(大沢たかお)のややもすると強引とも言える取り調べも、本件判決の結論も妥当な線なのかと思い直したりもします。)
いずれにせよ「自分の死に方」に思いを致して観るには、好個の一本かと思います。評論子は。
(追記)
実は『ロストケア』が評論子には満足の行く作品ではなく、同作を鑑賞しながら脳裏に浮かんだのが、本作でした。
ずっとずっと以前に観ていて、再観になりるのでけれども、本作を改めて観て、書けずに苦しんでいた『痛くない死に方』のレビューも何とか書くことができました。
『ターミナル・ケア』とか『リビング・ウィル』ということに関しては、やはり本作が評論子の「土台」になっているのかも知れないと思いました。
美人ヤブ医者。
段取り下手の美人ヤブ医者に終を信託した役所が融通の利かない(そうあるべきだ)お役所に死んでから叱られる、ぶ厚そうに見えて薄い話し。
周防は嫁にこう殺されれば良いが、同じ役所の失楽園の死の方が気持ちE。
濡れ場は愉しんだ。
プロが面倒な手続から逃げると罪に成る、恋愛感情が絡むと女は手続を怠りがち、という手続論の映画か。
前半の尊厳死論と後半の手続論の間に観客を留まらせるのが狙いなら成功作だが、そういう映画を観たいと私は思わない。
【心が傷ついた女医と末期患者との心の交流をきっかけに起きた出来事。周防監督が”安楽死”について、世に問うた意義深き作品。】
ー物語は、冒頭、検事の塚原透(大沢たかお)に検事局に呼びだされた折井綾乃(草刈民代)の憔悴しきった姿から始まる。-
■折井綾乃は長年、重度の喘息に苦しむ江木(役所広司)の担当医。
江木は病に侵されているが、心優しく、聡明な男であることが分かる。
一方、折井は不倫の相手、同僚の高木医師(浅野忠信)から裏切られ、院内で、睡眠薬による自殺を図る。”俺、結婚するなんて、言ったっけ・・”
-何故、江木があんな下衆な男に惹かれたのかは描かれていない・・。ー
・江木は苦しい体調の中、折井に優しく接する。
-折井は江木の医者だが、折井は江木の心の支えになっていく・・。-
・江木の幾つかの言葉
”人間、死の時は最後は聴覚が残るそうですね・・”
-江木の妹の終戦中の話。-
”これ以上、妻に辛い思いをさせたくない・・。僕の看病から解放してあげたい・・”
”先生、お願いがあります。その時が来たら”楽に”してください・・。僕は何より、先生を信頼しています・・。”
■ある日、江木が意識不明の状態で病院に運び込まれる。折井は必死に治療をするが、
気道に居れたチューブの中の、血を見て・・、妻たちに涙ながらに言う言葉。
”自然にお任せしたら・・”
”これ以上の延命治療を望まれますか・・”
江木は激しい痙攣に襲われ、
”江木さん、ごめんなさい・・”
ー耳元で”子守唄が流れる・・-
◆場面は一転して、冒頭の検事局に戻る。
ーここからの、塚原検事と折井との"終末医療”に対しての考え方の相違を基にした遣り取りは圧巻である。ー
塚原の検事として折井の行為は殺人である・・、という考え方と、折井の助からない人の命を、苦しませながら延命させるのは違うのではないか・・という二つの考え方。
-周防監督の考え方は、高圧的な塚原検事の描き方で、推測が付く。ー
<現在でも大きな解決の道が見えていない、”終末医療””安楽死”を題材に周防監督が正面から取り組んだ意義ある作品。
あのラストをどう見るかは、人それぞれだろうが、私は塚原検事の姿勢、考え方は肯定しない。
何故なら、江木を長年支えてきたのは、折井である。
二人の感情の結びつきが深まっていた背景があるという事も分かっているが、チューブの中の胃潰瘍による血を見てしまった時に彼女は覚悟を決めたのだろう。
”これ以上苦しませてはいけないと・・。”
その行いを罪に問うのかどうか・・。>
<2012年11月 劇場にて鑑賞>
<2020年10月 他媒体にて再度鑑賞>
医者と患者の関係
森田監督は尊厳死、そして日本の検察制度をもテーマにしてると感じた。ラストのそもそも診断が明らかに間違っているというのが腑に落ちなかった。それにしても検察官役大沢たかおの演技は憎らしい。わざわざ呼び出しておいて待たせるなんてことを本当にするのだろうか。追い詰めていく演技はうまい。医者と患者の仲が良過ぎるほど、患者にとっては最高だが、医者にとっては事故、事件の元だということになる。自分のことをここ迄考え、最期に泣いてくれる医者はいるだろうか。家族より先に抱きしめ、泣いてしまうのはちょっといただけないと思ったが。やはり、尊厳死には証拠となる本人の意思が証明できるもの、そして家族の承諾書あって、初めて成立するもの。そういう場合ばかりでないのが今回起きてしまったことなのだが、やはり人間の死を扱うだけに、そこは慎重を期して掛からねばならなかった。全編通して草刈民代が好演。
嘱託殺人
2020年2月22日
#終の信託 鑑賞
喘息の重症患者から、危篤の場合安楽死させてくれと頼まれていた医師が、その処置を殺人罪として立件される。川崎協同病院事件というのがモデルらしい。
安楽死と嘱託殺人って難しい問題がテーマ。ダンスをしてるばあいではなくなっていたか。
恋愛なんて他人から見れば喜劇なんだよ。
尊厳死。安楽死とは若干違い、延命措置を拒否して安らかな死を望むと、患者や家族から意思表示してはじめて認められるもの。法的判断の詳細については検察庁での大沢たかおがしつこいほど力説していたが、なかなか覚えられない。とにかく、意思表示=インフォームド・コンセントがなされて成立するものだ・・・母親の入院の際、何度もハンコを押さされたことまで思い出した。作品の設定では2001年ですが、今の病院では徹底しているのだ。
単純に考えたら、草刈民代演ずる折井医師はちょっとしたことで心が折れるほど弱い人間。東大医学部出身で頭脳明晰、優秀すぎる医者なのだが、不倫志向のある世間知らずのお嬢様だったに違いない。ただ、自分も死ぬ際にはこういう女医に看てもらいたくなる女性でもある。
『Shall we ダンス?』以来16年ぶりの共演となる草刈、役所コンビと周防監督。明るい過去作とは打って変わって陰湿なムード漂う病院でのやりとり。『それでもボクはやってない』で警察・検察の取り調べと同様、司法の矛盾についても問題点を投げかけているようですが、ラストの大沢たかおとの演技合戦だけでしかメッセージが感じられないのが残念だ。
それにしても役所広司の心肺停止状態、死の直前のリアルさや、大沢たかおの人間味の無い無機質な検事が印象に残ります。草刈民代もヌード・濡れ場を披露しているのですが、彼女の実年齢が気になってしょうがなかった。鑑賞に耐えうる最後の年齢という意味で、体当たり演技をするようにと夫でもある周防監督に尻を叩かれたのだろうか。検察でのシーンはともかく、若く感じられましたよ。
観ているときよりも後からじわじわと終末医療のことを考えさせられる作品。演技力もさすがだと思いますが、実際の医療現場をリアルに再現していることにも驚きました。視覚と聴覚のエピソードや満州で妹を亡くしたエピソード、それにオペラ「ジャンニ・スキッキ」の話など興味深いところ満載。でも、一番凄いと感じたのは几帳面な八木。裁判所で提出されたのは61冊の闘病日誌。最後の一言だけが救いとはなったけど、「リビング・ウィル」についても考えさせられるなぁ・・・遺言書みたいけど。
後半の蛇足感
尊厳死、安楽死、その人らしい死。永遠のテーマ。解決不能。
管につながれた肉の塊になってまで生きたくない、秦三は言った。
そんなことは誰しもが考えることであって、
死の間際になったらホントにそう思うのか?検事が尋ねる。
呼吸器外したら苦しみだしたのは生きる意志があったからじゃないのか?
検事が詰める。
折井は返す。
命の尊厳を守るのはその人の幸せのため、
意識が無くても意志はある、だったかな。
自分の考えを加えるとすれば、
生あるモノが生きようとすることは本能的なことで、
そこには意志、理性は無い。
苦しんだから生きたいと望んでいたとは考えにくい。
じゃあ怪我とかで苦しんでいる競走馬の様に、
薬剤投与の安楽死は医療行為なのか?
そこは司法判断では殺人になるんだろうなあ。
基本的には折井に肩入れしたくなる話だが、
折井の独断であることは否定できず、
家族の同意も何かぼんやりしてる。
そもそも江木一家のキャラの弱さが問題。
話としても、「それでもボクはやってない」みたいな、
検察の揚げ足取りの強引さを誇張してる感じで、
またそーゆー話か、としか思えなかった。
だから前半の折井と秦三の話だけで済まして、
「この後折井はこれこれこーで…」とかで説明だけで、
後半の検察場面は無くても言い。
どーせ最後はアレなんだから。
故に、大沢たかお要らない。浅野忠信も要らない。
特に大沢は急に口調変わったりとか、
要らないところで動揺してたり怒鳴ったり、
すごく嘘くさい検事になっちゃってる。要らない。
草刈さんはやたら早口で口角狭く台詞が聞こえない。
字幕付きで見ることをお勧めします。
良かったのは役所さんですね。泣かせる。
この人はこーゆーいい人が合ってる。
「渇き。」のクソ親父は無理がある。
面白かった
しんどくて退屈な話かと構えていたら、展開が面白くてぐいぐい引き込まれた。役所広司の家族がちょっとひどかった。特に長男。
20年くらい前なので今とはちょっと医療の制度が違うかもしれない。尊厳死に熟年男女の熱愛が絡んで話が複雑になっていた。検事が、最初から答えありきで質問して追い込んで行くのがいやらしい。納得いかなかったら絶対にサインしたらダメだ。なぜ弁護士に依頼しなかったのだろうか、ちょっと変だと思ったら弁護士を頼みたいと主張すればよかったのではないだろうか。
原作未読
法律上の理屈では、現実の課題は何ら解決されないという事がよくわかる映画。
死を受け入れるには、遺される者が納得できる物語を必要とする。前半から中盤にかけて、役所広司の患者のひととなりや何を考えているかを丁寧に伝えている。終盤に物語のキーとなる日記も、実務処理に長けていて、深い考えを持った人物として描くためのアイテムとして効いている。
それらを共有した観客は、主人公の医師の判断をおそらく支持するだろう。本来なら、役所広司の患者は、家族にきちんと自分の意思を伝えるべきなのだろうが、それも期待できないこともきちんと描いている(家族にコミュニケーションは成り立っていない)。
行きたかった旅行も果たし、家族に負担をかけることに堪えられない彼にはもう人生に希望はないのだ。
その一方で、本当に彼が回復不能だったのかは、疑問が残るようにも描かれている。確かに医師が集えば、生命の尊重に傾くものなんだろうが、本来はあらゆる観点から議論しつくした上での結論を導くべきなのだろう。主人公は、患者の私生活に思い入れが過ぎたのかもしれない。それに至るには理由があるから、その哀切が心を打つ。
そういったまとめきらない前提を持った「事件」を処理するために訴訟がある。問題を解決するためには、訴訟で明らかになった事実を現実にコネクトしなければならないと想う。良い映画です。
意識がなくなっても、子守唄を歌って欲しいんです
映画「終の信託」(周防正行監督)から。
役所広司さんが演じる「重度の喘息患者の江木」さんが、
近づいた死に対して、草刈民代さん演じる担当医師の折井先生に
切実にお願いするシーンがある。
「人間が死ぬ時、まずダメになるのは、視覚だそうだそうです。
ものが言えなくなっても、見えなくなっても、
声だけは聞こえているとか・・。僕の意識が完全になくなるまで、
先生、言葉を掛けていただけないでしょうか。
できたら、意識がなくなっても、子守唄を歌って欲しいんです」
何気ない場面なのだが、とても印象に残った。
映画鑑賞や読書など「視覚」を中心とした生活を送っているからか、
「聴覚」に意識を向けたことは少なかった気がする。
しかし、この作品通じて「聴覚」を意識することが増えた。
目をつぶっていても、聞こえてくる音や会話は、
どんな微かな音も聞き逃さないように働いてくれている耳があるから。
そして本人の意識がなくなっても、聴覚だけは働き続け、
外からの音(声)を、体の中の細胞に伝えているようだ。
これからは、もっと意識して「耳」を大切にしたいなと思う。
無駄な部分多すぎ
人間の尊厳死に関する作品。
「死にたい」と思っている重病患者を死なせた女医が告発される話。ありがちだけど、とても興味深い題材。
しかしこの映画、ものすご~く無駄な部分が多い。序盤、自らの過去をゆっくりと語る患者。ただそれが戦時中の話とか貧しかった子供時代とか、病気には全然関係ないエピソード。
さらには女医も不倫してたりして、なんか構成が散漫なんだな。
病気そのものも「ぜんそく」で、ちょっとわかりづらい。どうせ作り話なんだから素直にガンにすればよかったのに、その辺映画として演出が下手だなぁと思う。
終盤、検察官と女医との尋問は見ごたえたっぷり。ただ盛り上がるのはほんの30分くらいで、ラストもなんか中途半端。『それでもボクはやってない』みたいに取調べと裁判中心ならよかったのに。
全体的に暗すぎる内容。役所さんの苦しむ姿は苦手な人だとトラウマになるぞ(笑)
家族への信託。
周防監督またお得意のジャンル?と思わせるような作品。
法と秩序の不条理と人間の心理を巧みに縫い合わせて観せる。
観やすい作品ではないが(今回はまた一段と暗い)
例えば自分の最期、家族の最期、を看とる時期にある人は
色々と考えさせられることが多い作品なのではないか。
私的に最近、親世代の入退院や葬儀が相次いだ。そんな歳だ。
子供の頃はまだまだ先だと(親なんて一生元気なものなんだと)
能天気に思っていた私も、そんなお気楽に済まされない時期に
差し掛かってきた。そこで最近思うのが、自分の最期である。
今作は各々の立場で観ることができる作品だと思う。
折井医師。
まぁ誠実で真っ直ぐな女性だな、ということがすぐに分かる。
その分恋愛にも懸命で…今風に言うとイタイ?女なんだろうか。
患者には信頼を寄せられる医師だったようだが、とりわけ今回の
江木という重度の喘息患者との心通を重ねていく。
アナタは人生を正直に生きている。と江木に言われる折井医師。
それは確かに褒め言葉ではあるが、言い換えればアナタならば、
私の終の信託を受け容れてくれるだろう?と言っているのと同じ。
妻や家族に言ってもムダ(というより言えないから)アナタならば。
そんな重い選択を幾ら信頼を寄せている医師だからって、任せて
いいものなんだろうか。そこまで思うのならば、それを口頭でなく
しっかりと文書で遺しとけよ!と江木に対しては強く思った。
遺族の心配をすると同時に折井医師のその後の留意も必要だった。
まぁ確かに折井医師もこの江木に対して心が傾倒していなければ、
もっと冷静に医療判断を下せたのかもしれないが。
患者江木。
巧みに生きてきた人なんだろうが(何しろ奥さんが大人しすぎる)
全てを自分で背負い決めてしまうところが非常に頑固。
自分の人生は自分で決めるのはもちろんだが、結婚した時点で
アナタには家族に対する責任があったはず。命が朽ち果てるまで、
その意思選択を、どうして家族の誰にも言ってはくれないんだろう。
妻であったり、子供であったら、これほど切ないことはない。
一体今まで誰が彼の面倒をみて、看病をして、長い長い闘病生活に
付き合ってきたと思っているのか。いや、それだからこそ言えない。
という遠慮こそ傲慢に映る。彼の死を迎え納めるのは家族なんだぞ。
今作では折井医師とのラブストーリーが絡めてある(らしい)から
致し方ない選択とはいえ、あまりにもあまりにも…不条理であった。
ただ、私が江木の立場ならやはり(家族に意思は伝えるけれど)
早く家族を楽にしてやりたいと思う。生きる家族には未来を与えたい。
出来ようが出来まいが、家族をまず一番に考えるだろうとは思う。
塚原検事。
今回の大沢たかおの演技は、多分キャストの中で群を抜いている。
脱いだ折井よりも(ゴメンね)、苦しみ抜いた江木よりも(悪いね)、
彼の一挙一言がグサグサと心根に突き刺さってくる。巧い。怖い。
この後半のくだりがいちばんの見せ場で、前作のラストにも通じる。
だって法律は、曲げられないんだもん。そんなの当たり前だろ。と
正攻法でズバッとそこまでのナヨナヨとした倫理を打ち破ってしまう。
あぁ…何だか本当の取り調べ風景を観ているようだった。怖かった。
カツ丼なんて出るワケないか(タバコもね)、刑事ドラマとワケが違う。
自白の強要。。とは最近ニュースを賑わせていたが、
やった。やらない。で逮捕・起訴まで持ちこむことの重要性を見せて、
検事の「作戦」を勉強したような気分になった。非常に観応えがあった。
ドラマ上、最後に出てくるこの検事が最も酷い悪人に見えるが、
彼は彼の仕事をやっただけの事である。医師の仕事と同じなのだ。
うわぁ…またこのまま後味悪く終わるんだな。と思ったら今回、
裁判の結末までを字幕解説してくれる。ふーん…なるほど…そうか。
おそらく折井医師も(内心分かっていたと思う)納得できたんじゃないか。
私が最後その字幕に感動したのは、彼女の判決の鍵となったノート、
それが家族側から提出されたことだった。長い長い夫の看病に疲れて
それが終わったと思ったら医師が逮捕され、自らも尋問され、しかし
最後には夫の意思をしっかり告げて折井医師を救ったともいえる江木の
妻とその家族、その行動こそが何よりの誇りでしょう、天国の江木さん。
そう思わずにはいられなかった。
(今後の信託について、色々と勉強になりました。オペラの詞の解説も)
泣きました。
終末医療のお話で、折井が患者の江木さんの意向で尊厳死を望んだ時、色々な事情で家族には託せない事を理解し、折井は医者としてでなく管を抜いたと思います。それは許される事では無かったがそうせざるを得なかった。特に死が近づけば表現出来ないけれど、ちゃんと聞いている、判ると江木が話すのを聞き、私ごとながら義父が亡くなるとき、運悪く主人が腸閉塞で入院していて、わりと名の知られた人でしたので、私では葬儀は出来ないと思い外国に出張している義弟が帰るまで生きていてねと頼みました。もちろん返事できる状態で無かったのですが、義弟が面会した日の夕方に亡くなりました。だから泣けてきて感謝しました。家族を亡くした人には判る映画だと思いました。
全33件中、1~20件目を表示