ノルウェー発のモンスターホラー。
監督は『スケアリーストーリーズ 怖い本』などのアンドレ・ウーヴレダル。
トロールが怖カワ。
【ストーリー】
ハンディカメラで熊の密猟者を追う学生たちが、キャンピングカーで調査区域をうろつくハンスという男を尾行する。
銃で武装するハンスこそ密猟ハンターだとの予測のもとの行動だったが、彼らはもっと危険な生物と遭遇してしまう。
伝説の巨人トロール。
ハンスはノルウェー政府からの依頼でその存在をさぐり、退治するトロール・ハンターだった。
ゲーム好きな人には説明の必要すらない、RPGによく登場するトロール。
なんと彼らは実在したのだ!ジャジャーン!
安価で高性能なハンディカムが普及し、ブレアウィッチ・プロジェクトで華ひらいたモキュメンタリー(擬似ドキュメンタリー)ブーム。
考えてみたらアレですよね、水曜スペシャルの川口浩探検隊。
そう、カメラマンと照明さんの後から、前人未到の洞窟に入ってゆくあの伝説のウソっこ番組。
あれも現地で後からトラブルの話がゲフンゲフン。
モキュメンタリーの面白さは、わざと素人くさく撮ったハンディカメラのせまい画角や音割れやぶつけたりした際のブロックノイズ、そして出演者たちの演技してない風の演技の生っぽさ、リアリティでしょう。
作り手サイドで考えてみると、スタッフ少なくてすむし俳優は棒読みでいいから素人でいけるしで、アイデア一丁でおもしろく撮れるのは、お金のないクリエイターの心にギュッと響くでしょう。自分も友だち集めてなんか撮りたい。
ホラー以外にも可能性のある手法だと思うのですが、知るかぎりVFX足したSFホラーぐらいで、今のところ他ジャンルには波及してませんね。
エイブラムスの自撮りアクション『ハードコア』も、斬新だったけどあんまり話題にはならなかったし。
難病恋愛モノとか面白いと思うのですけど、あんまり身近だとただのドキュメンタリーと差別化が必要で、自分みたいな単細胞は本気で信じちゃいそうだしうーむ痛しかゆし。
まあでもたぶんそういう作品はたくさんあるんだろうけど、自分がただ知らないだけでしょう。
ホラーも怖いからあんまり見ないし。
さておき、このトロール・ハンター。
トロール造形けっこう怖いけど、同時にユーモラスでかわいさも感じます。紫外線ですぐ死ぬし。
お安めのCGも、手ブレで上手くごまかしちゃえるのはモキュメンタリーならでは。
日本でトロールといえばご存じとなりのトトロ(トロル)ですが、本家北欧のトロールは石を食べて夜にうごめく巨人です。
モキュメンタリーなので、シーンが変わったらいきなり襲われてる真っ最中だったりして、ありえない大きさのトロールとかが出てきたりもして、そこもまた楽しいんだ、この映画。
『SISU シス 不死身の男』のヒットなど、近年どんどん存在感を増してきた北欧発の映画作品。
このトロール・ハンター、本当にただ単純におもしろいので、機会があったらぜひぜひご照覧あれ。