アルゴのレビュー・感想・評価
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結局アメリカ推し
イランをわざと英米が混乱に陥れ、英米の思惑で立てたパフラビ国王が贅を尽くし国民を苦しめる国政だったため、反体制派のホメイニに国王が変わった後も、国民が癌のパフラビを受け入れたアメリカに暴動を起こし、アメリカ大使館に押し寄せる。
人質の一部6人はカナダ大使館に脱出するが、シュッレッダーにかけられたアメリカ大使館の顔写真付き職員名簿が復元されれば6人は反逆罪の拷問で命が確実に危ない。
そこで、ベンアフレック扮するCIAの救出専門家と、それを信じてシナリオを叩き込んだ6人が身分を偽証し、すんでのところで脱出する。
実際どれくらいの緊迫感だったのかわからないが、あと何か1つでもうまくいっていなければ間に合っていなかったであろう緊迫感が手に汗握る。テンポが良くてとても面白かった。ハリウッドの裏側の言ったもん勝ちのようなうさんくさい空気感も出ていて良かった。製作監督でもあるベンアフレック、すごいなぁ。ジョージクルーニーもプロデューサーの1人。
でも、結局、アメリカ万歳、CIA万歳な展開で、イランの反体制派の人々は怖い印象で終わってしまう。英米のせいでおかしな国政となり、生活や家族や人権を奪われた貧困生活に声をあげた国民が、アメリカ兵に殺されたりした理由があって暴動が起きている事は、最初のアメコミ風プロローグのみ。撮影は1度もイランに行っていない。それも、アメリカが、イランが核兵器を持っていると因縁をふっかけて経済封鎖していた時期だから。アメリカっぽいなと思った。大活躍したカナダ大使館の家政婦さんが、イラク亡命、損なくじ。
こんな事件があったとは
恥ずかしながらこの映画を観るまで
こんな史実、事件があったこと、しりませんでした
映画をみたおかげで、パフラヴィー政権などに興味をもち
しばらくウィキペディアを見ました
こんな出来事があったんだ…と、ただただ唖然
だいぶ脚色してるだろうし、
未だに公表してないこともたくさんあるでしょうけど
歴史の中のひとつの事件として興味深かったです
無知の大罪
米英は石油利権のため、イランの首相を転覆させた。
アメリカは若い適当男パーレビーをトップに座らせた。
贅沢三昧の彼とは対照的に民衆は飢えていた。
恐れを感じた彼は、拷問、処刑を繰り返し恐怖政治が始まった。
イランはアメリカに亡命したパーレビーを引き渡すよう要求。
ホラー映画さながらの絶望感に包まれた作品。
アメリカへの怒りは熱風のように飛び火し全て焼き尽くす勢いだ。
ゾンビのような執着心で、アメリカ人を探し出し生血を求める。
大使館の職員たちの救出の秘策がカナダの映画クルーに扮する事。
CIA職員のサム・メンデンスが単身乗り込み作戦に挑む。
アメリカの犯した大罪の上に全て起因する。
ヒーロー万歳の明るさはない。
始終、重く厳しい目で描き、罪に目をやり胸に抱く。
観始めると、引き込まれ時間を忘れた。
暴徒化
1979年2月、イラン革命(英:Islamic Revolution)でアメリカ大使館人質事件が起こる。52人の人質の中、逃げ出しカナダ大使館の自宅に身を潜める6人の米人。CIA 人質専門、Tony Mendez が『アルゴ』なる架空の SF映画のロケハンと称して その6人を撮影staff と偽り Ilan から脱出させる、だなんて何とも奇妙奇天烈な実話。
カナダ大使館に潜伏する6人、そら いきなし そんな脱出方法を提案されても当然 反発するわな(笑/だって Ilan の人達は今だからか はたまた元々か、暴徒と化しており すぐ殺す/恐)。
如何にも一般の“普通の人”な紆余曲折を経て決断へと至る6人に対し国も人民も力を集結させ益々 激化する Ilan。そして政治的判断で決断が二転三転する米政府…。
6人の人質と Tony目線で観ると緊迫感と板挟みで地に足が付かない。。。
そんな中 何とか疑いを乗り越えて脱出に成功する6人の米人。
脱出を甚も(イトモ)簡単に(いや、そう見える/恐)喜び祝う米政府に米の底力を感じる(恐)
いやぁ~それにしても John Goodman は不滅やねぇ〇
事実は小説よりも奇なりを地で行く
この映画の印象…怖いと幸せにしたけどまあハラハラですよね。映画comさんは印象にハラハラを加えるべき。
逆にそこまでがちょっと退屈なんですよね。この常識はずれの計画は超綿密な前準備と7人の度胸と演技にかかっているわけじゃないですか。結構前準備は順調とまでは行きませんけど、割とさくさく進む。元からの知り合いだったので仕方無いとは言えちょっとなー。もうちょっと何とかならなかったのか。
とは言え中盤以降はハラハラ展開の連続で見た後疲れましたw欲を言えばちょっと機転を利かせてクリアみたいな展開もあればより主人公のかっこよさとか見せられたかなとか。どっちかと言うと周りの人が頑張る感じだったのでそこは少し思っちゃいました。
あと機内アナウンスかかった時お前らもうちょっと主人公に感謝しろよというか感謝してるシーン入れてもいいだろ!とか、ベン・アフレックかっこいいなとか、エンディングで再現度の高さに驚愕とか、冒頭のデモの迫力すげえとか色々感想あります。細かく突っ込んでしまうので、面白いしよくできてると思うけど、私には合ってないのかもしれません。
スタジオ6にハラハラ
手のひらが汗ばむ映画。
火薬、残酷な拷問も少なめ。なのにこの緊迫感。
ハッピーエンドだってわかってた。
でも…ほんとにハッピーエンド?って疑う気持ちがずっと持続した。
人質ってほんとにみんなそろって脱出できるの?
だれかケガするんじゃ?
まさかの工作員(アフレック演じるメンデス)が撃たれるんじゃ?
親切なカナダ大使が捕まるんじゃ?
メイドの女の子が裏切るんじゃ?
飛行機内でイラン人が暴れ出すんじゃ?
もう思考は悪い方へ悪い方へ。
最後の「登場人物のその後」テロップまで、結局アメリカへ戻ったメンデスが、どこかで狙撃されたとかじゃないよね?と、一瞬も気が抜けませんでした。
結末知っててこんなに動揺しながら映画見たの初めて。
木彫みたく無表情なアフレック。
好きな人は好きな顔立ちでしょうね。
何気にお腹の割れたカットもある。
サービス?笑
それはそうと、エキストラのイラン人(?中東系の人)たちにも感動。現在でもアメリカに対していい感情は少ないと思うけど、暴力的な一面を見せたわけで。
この映画を見て、すぐ信じちゃう人は、「イラン人(は、みんな)危ない!」って思われそうだよ。
イラン政府がこの事件を自国の立場から映画化したいのも分からんでもない。
ひとりの人間が公平な歴史観を持つのは厳密には無理だね。アフレックにはラストをもう一段踏み込んで描いてほしかったけど。
ま、エンタメとしても十分楽しめる出来です。
スタジオ6の電話が間に合ってよかった!!
★ 流石、賞を獲るだけある作品 ★
これが実話とは…
何故今まで誰も映画化しなかったのかしらね?
ベン・アフレック作品は幾つか見てますが、彼は巧いですね〜。
というか、登場人物の皆さん各々が良い演技をしてる。
そこにこのハラハラするストーリー。
空港内では、作戦に1番乗り気じゃ無かった人が、1番頑張ってましたね。
領空内を出た所で、見てる私も本当に安堵。
多少実話を脚色している所もあるんだろうけど、本当に良い映画だと思います。
非常に良い
親友のマットデイモンに随分と遅れを取ったが、出てくる人間はやはり出てくるモノなのだろう。『ザ タウン』にも驚かされたが、この作品は輪をかけて良い。
この映画の肝は壮大な騙しの罠を仕掛ける物語であるが、最後にモノをいったのは仲間の信頼であるという矛盾。真実と嘘が混ざり合いの駆け引きが物語を牽引している。嘘を突き通すために味方の信頼が必須という、このアンバランスが物語をとてもスリリングにしている。さらに全てを嘘にしてしまうようなラストとさらに後に真実が暴かれるという結末。お見事です。
どこからどう見ても力づくの突破は無理であろう、被害者達と頼りがいのありそうなエージェントの対比や彼らと地元の軍人の駆け引きの対比は、それぞれの利益の対立として飽きの来ない構造である。
息の詰る展開は実は序盤の大使館襲撃シーンとその後の脅迫のシーンにより、より危機感が迫って感じられる。実に周到な作品といえるだろう。またその危機の中の大使館員を救うためのCIA内の駆け引きもまた面白い。責任を重視したいもの、生存を重視したいもの非常にリアルな人間関係の構図が物語をよりリアルに見せている。
この映画が巧いのはそこでリアルにするのではなく、リアルっぽくしている点、わざとらしい嘘を混ぜることで細かな嘘を本当にしている。
実際はこのようにスリリングな展開ではなかったのだろうが、このくらいの嘘は許容できないと映画は楽しめないでしょう。
映るが撃たない
何かの映画の予告で見て。しかし劇場版は見逃した。
これだけ銃が画面に映るのにこれだけ銃を撃たない映画を初めて見た。
それでいてこの緊迫感。
空港カウンターのシーンはテンポの良さと緊張感を常に保っていた。
史実なので助かるのはわかってる筈なのに民兵が飛行機を撃ってしまうのではないかと怖々と見ていた。そしてわかってる筈なのに領空を出た所で私もホッとした。
ベン・アフレックの頼れる男感が半端ない。
やはりカンパニー・メンで見せたような役は似合わないのだ。
あくまで頼れる男。
今回は表情もほぼ笑顔なし。
声出して笑うのは救出後だけ。
後は息子と電話で話すときや飛行機内で人質と握手するときに口角を少し上げるのみ。
今回の役は格好よかった。
エンドロールで当時の実際の写真と今回の映画で撮ったシーンを並べて映す。
驚くほど似せて撮っていることに驚く。
画面の質感も70年代っぽい粗い画面で雰囲気を良く出していると思った。
そしてあのクレーンで人を吊るすのも実際の映像を基にしたんだと見せられて、今回の救出が一歩間違えれば戦争の引き金になっていたのだと改めて重要性に気付かされる。
私個人としてはイラクへ逃亡した優しいサヘルの幸せを祈るのみである。
ベン・アフレックさん!今まで、ごめんなさい!
ベン・アフレックさん!ごめんなさい!
もう、あなたの事は、大根役者だとか、エロいスッチーがいるプライベートジェットに乗ってたとか、お騒がせセレブでラジー賞も取ったとか、昔はいろいろバカにしましたが、もうしません!『アルゴ』は素晴らしい映画でした!今後は、偉大な監督として称えます!!
実話に基づく映画と言う話だが、ある程度の脚色はしているだろう。事実とは違う部分もあるだろう。だが、彼がこの映画で描きたかった事は明白だ。
CIAが映画の撮影だと称して、人質を救出するという、奇想天外な実話を基に、映画が人の命を救ったと言う事に焦点を合わせている。徹底したリサーチで当時を再現し、緊張感を高めた演出は、映画としての質を高めている。バレたら殺される。コレは映画の大切な要素、演技だ。常に、映画では、俳優は命をかけて演技しているのである。かくして、彼らの大芝居が始まった。
映画クライマックスで、一番乗り気じゃなかった大使館員が、映画の説明をし出すのがいい。緊張感が増すシーンだ。ストーリーボードを見た兵士たちが、まだ見ぬ映画に想いを馳せて、ふざけ合ってるシーンでひと時、心が和む。映画によって敵も味方もなく、心を通わせた瞬間である。彼が描きたかった事は、政治的な思想などではなく、映画によって平和的な解決を生む可能性についてを、訴えたかったのだ。
そして、今回、アカデミー作品賞を受賞した。彼のひたむきな映画愛が評価されたのだ。だが、発表の仕方が悪かった。ホワイトハウスからの生中継で、大統領夫人が読み上げた。コレが政治的意図と解釈され、イランの反感を買った。
イランの主張は、事実と異なる事を指摘している。イラン政府は、この映画『アルゴ』に対抗して、正しい史実を描いた映画の製作を発表した。映画での報復。イスラム教の教えの一つである目には目を、歯には歯を、映画には映画をと言う、基本理念に忠実だ。こう言う戦争なら歓迎である。ベンは、映画が平和的な問題解決になる事を説き、解決にはまだ遠いが、図らずも、平和的な報復を受ける事になった。だがそれは、彼にとって、とても素敵な出来事だと思う。
「しくじれば、我々は死ぬんだぞ」「彼も死ぬわ」
映画「アルゴ」(ARGO)(ベン・アフレック監督)から。
イランの革命で、アメリカ大使館から脱出したアメリカ人が
カナダ大使の自宅で身を潜め、出国の機会を狙っているが、
見つかれば当然殺される、そんな現状の中で決行された、
人質救出作戦である。
当初、いろいろな案が提案されるがどれも現実的ではなく、
残ったのは、カナダの映画撮影スタッフに扮して出国する計画。
作品のタイトル「ARGO」も、ニセ脚本の1つ。
他にも「我らの家」「監視」「よき人生」「鎮魂歌」など。
「ARGO」とは、辞書によると「ギリシャ神話」の一部、
「アルゴー船」のことを指すようだ。
(JasonがArgonautsを率いてこの船で遠征し、
金の羊毛(Golden Fleece)を獲得した)とある。
何か、この事件解決を匂わせるような単語だなぁ。
(完全な読み違いの可能性もあるけれど・・(汗))
選んだ一言は、助けに来た主人公が、人質たちに呟く。
「この作戦を絶対成功させる、僕を信じて欲しい」と。
しかし、失敗の可能性が高く、死の恐怖が襲う。
「しくじれば、我々は死ぬんだぞ」と消極的な意見もわかる。
それを納得させたのは「彼も死ぬわ」という女性の台詞。
彼は、自分の命を捨ててまで、私たちを救いにきてくれた。
本気になって「他人の命」を守ろうとしてくれているのよ、
私たちこそ、彼の勇気に感謝し、信じましょう、
そんな気持ちが伝わってきた。
これが実話だというのだから妙に説得力がある台詞である。
P.S.
クリントン大統領がアルゴ作戦の機密扱いを解除
地獄の真ん中で課せられた一世一代のドッキリ大作戦
先週の『ゼロ・ダーク・サーティ』に続き、アメリカとアラブとの厄介なトラブル収拾に右往左往する災難を描いた実話を観賞する流れとなったが、印象も世界観も面白さも全て真逆の迫力に終始、呑み込まれていった。
ソ連のアフガン侵攻問題と共に、アラブ諸国に反米感情を根付かせる根本を生んだ事件のため、やり取りが常に痛々しい。
当時のニュース資料を素材に綿密に再現した映像美のざらついた質感が、服装、時代性etc.全てにおいて、ギャップを感じさせず、展開にリアリズムを一致させる。
そして、緊張の波が押し寄せてくるにもかかわらず、つい笑いそうになってしまう油断こそ今作最大の魅力を形成している。
それは、アメリカ職員という身分を隠すべく、ロケハン中のカナダのB級SF映画製作スタッフやとデッチ上げるという奇想天外なプランに尽きると思う。
欺き通すために用意周到かつ、破れかぶれに仕組まれた計画に映画を選ぶ価値観は、如何にもアメリカらしく、身分や国籍なぞお構いなしに皮肉たっぷりな毒で丸め込む開き直り精神もアメリカらしさが光る。
殺気めいた空気が充満している中、スケールの大きいドッキリ感覚で進むトンデモない格差が、窮地に追い込まれた人間の業を浮き彫りにし、牽引力のエンジンと化すのだ。
事前の情報で作戦が成功したのを承知なのに、常に先の読めない緊迫感に襲われたのは、周りのありとあらゆるイラン国民が敵か味方なのかはおろか、何を考えているのかサッパリ解らないからやと思う。
人種に対する偏見以外の何物でもない不気味なオーラは、イラン・イラク戦争、湾岸戦争etc.衝突する度に誇大化し、9・11で大爆発を生じる。
崩壊し複雑化を辿る影を象徴したのが、『ゼロ・ダーク・サーティ』
その闇の原点に位置するのが今作
2本を照らし合わせて観ると、アメリカを取り巻く渦の深さを伺い知る事ができると思う。
では最後に短歌を一首
『星の灰 フィルムを巻いて 二枚舌 ロケに追われし 客の帰路かな』
by全竜
ベンアフレックが良い
イランは、紀元前から誇り高いオリエントの大帝国だった。
1979年のイスラム革命によって 宗教上の指導者、ホメイニ師が国の最高権力を握り、イスラム共和国を樹立、真のイランの誇りを取り戻した。
それまでのバフラビ政権は、米国の傀儡政権だった。
イランは、石油ではOPEC第2位の石油産出国、天然ガスもロシアに続いて世界第2位の埋蔵量を持つ。英国も米国も、イランという宝の山を確保しようと イランに介入し続けてきた。この1979年イラン革命で、イラン政府は、米国のパペットだった逃亡中のバフラビ皇帝の身柄引渡しを要求したが、当時のカーター米大統領は拒否、イランに対して在米資産を接収し、国交断絶、経済制裁を実施した。その結果、怒ったイラン国民と新政府によって、反米をスローガンに大規模な反米デモストレーションが各地で起きた。怒り暴徒化した市民は、テヘランのアメリカ大使館を占拠して、52人のアメリカ人の外交官を人質にとる。
このとき、ドサクサの中で6人の職員が大使館を脱出し、カナダ大使公邸に逃げ込み保護される。
映画「アルゴ」は、ここから始まる。この出来事について米国側に正義はない。イラン政権による米国大使館占拠は、米国の利益のためにイランという国を蹂躙してきた米国の国策による結果のひとつにすぎない。そして犠牲者はいつも国からきり捨てられた 無力で一介の市民だ。
ストーリーは
カナダ大使公邸の地下に匿われた6人のアメリカ人大使館職員は、高まる反米の社会状況の中で、外に出る事も、封鎖された空港から脱出する事もできない。すべてのアメリカ人は、スパイとみなされている。イラン革命の象徴のように、街頭には処刑されたアメリカ人が、クレーンで吊るされている。空港ではアメリカで教育を受けたイラン人がチェックをして アメリカンアクセントをもつ外国人はすべて捕らえられている。
CIA工作本部技術部のトニー メンデスは、6人の大使館職員をカナダ大使公邸から脱出させるための策を考える。「アルゴ」という架空のSF映画を撮影することにして、映画監督としてイランに入国、首尾良く6人と合流し、全員を、イランから脱出させた。CIAの秘密工作だったので、事実は公表されずにいたという。これを映画化したも
ベン アフレックが監督、主演している。
この映画では、ベン アフレック以外に目立った役者は居ない。美男美女も出て来ない。名前を出しても 誰が誰かわからないから、出演キャストは省く。
ベン アフレックは40歳。バークレー生まれで、ハーバート大学卒の母親をもちリベラルな家庭で育つ。8歳の時から近所に同年のマット デーモンが住んで居て、今に至るまでずっと親友。ふたりで共同で映画制作会社ライブ ネットを設立して映画の脚本、製作を手がけている。社会活動もリベラリストとして活発に行っている。
「グッドウィルハンテイング旅立ち」は、この二人で脚本から製作、主演まで共同製作したものだが、アカデミー脚本賞、助演男優勝、ゴールデン グローブをもらっている。当時、無名だったマット デーモンは、天才的な頭脳を持った掃除夫、ベン アフレックは 彼を見出す心理学者を好演している。とても印象深い映画だ。
2001年「パールハーバー」では、ベン アフレックは恋人を寝取られる純真な青年を演じ、2009年では「消されたヘッドライン」で、たちの悪い国会議員を主演している。
でも、この「アルゴ」が、ベン アフレックの主演作のなかで一番良い。口数が少なく、ボサーとしているようで無造作に見えるが CIA工作員として緻密に計算された動きで確実を手に入れる。カナダ大使公邸の地下で陽の光を浴びることがでいないまま数ヶ月くすぶっている。その6人が6様に絶望感に覆われ不安と不信でいらだっている時 ばらばらになった6人の気持ちをひとつにまとめる度量がある。彼が少ない言葉で6人から全幅の信頼を獲得する経過は、まるで心理劇をみているようだ。迫力がある。
米国人を見つけて、公衆の前で断罪 処刑しろと 目の色をかえて米国人狩りをする群集の只中を通過するシーンや 空港でのパスポートのチェックなど、恐怖で心臓が口から飛び出てきそうなハラハラドキドキのシーンがたくさんある。
結果として、イラン革命を評価するかどうかに関係なく 映画としてCIAに救出された6人に共感できる秀作に出来上がっている。
ベン アフレックは こんないハンサムだったのか。彼の出演作を沢山見てきているが 間の抜けた顔とは感じていても、一度も良い顔だと思ったことが無かったが、今回、前髪をボサボサに下げて、ヒゲも口の周りに伸び放題にしてみると、画面で大写しになった顔をどこから見てもハンサムなのに、びっくりした。この時代、1970年代は思い返してみると みな長髪、ひげ面が主流だったんだな。いま見ると 人によっては、むさ苦しいだけだが ベン アフレックの長髪、ひげ面は高感度100%。今後もこれで行って貰いたい。
イラン国民の悲願だった米国傀儡政権が打倒されたあとも、イランは 米国を中心とする国際社会から、経済制裁や核疑惑を受け、厳しい道を歩んでいる。2005年から保守派のマフムド アクマデイネジャードが大統領になって、強権を主導しているが、米国はイラン政権を揺るがす反政府運動を裏で組織して内政干渉を繰り返している。
イランの核開発について、イランが核兵器を持っていないことは、米国CIAの調査でも IAEAの調査でも明確になっているが、政治の駆け引きのために、明確にせず核兵器を持っているような扱いをして、イランの核が国際社会の安全を脅かしているような米国主導の宣伝ばかりが繰り返されてきた。
しかし、米国の経済不況と国内の失業者など深刻な問題で国際社会への影響力が少なくなるに連れて、今後はこれまでとは違った状況になってくる。イラクは力を蓄えて、今後はイスラム国家の指導的役割を与えられ、オピニオンリーダーとしてイスラム社会を拡大していくだろう。そして美しいペルシャ語を語る人々が、紀元前から営んできた過去の栄光を取り戻していくことだろう。
いろんな事を考えさせる、良い映画だ。
ほっと一安心だが・・・
2度見たが、結果が分かっているのに2度目のほうが泣けた。
米国自らまいた種と言ってしまえば、それまでだが、やはり脱出する側に加担してしまう。
70~80年代を感じさせる映像表現と実映像の再現、大使館員にそっくりなキャスティング、ラストのひっ迫した状況など・・・うならせる作品と思う。
でっち上げた映画はチープな感じだったが・・・
イラン側にも理があることを忘れてはならない、とも思う。
イチかバチかの大勝負に出る男のラストの決断がクールで見応え抜群!
ベン・アフレックに脱帽だ!
映画館で、こんなに手に汗握りながら、映画にのめり込む事が出来た作品も最近では本当に珍しい!!
学生の頃に、テヘランの過激派によるアメリカ大使館占拠事件が発生した事は、おぼろげながら記憶の隅に有るものの、人質となった人達の中で、自力でエスケープした6人の人達が、カナダ大使私邸に逃げ隠れていて、その6人の人命救助の為に、実際にこんなに大掛かりなフェイク映画の制作劇をでっちあげての救出作戦が行われた事実に驚嘆する。
例え、あのイーサン・ハントでもこんな作戦には挑戦出来なかっただろうと思ってしまう!
そのまさかの大事件!大救出劇を。いち早く映画化する事に成功したベン・アフレックのプロデューサーとしての目の付けどころと、その行動力に感動を憶えるのだ!
ベンは『グッドウィルハンティング』の時から、人の度肝を抜くようなサスペンス性とミステリーアスな人間の内面にある底力のパワーの不可思議さを映像に表現する事が巧いので、非常にドラマとして面白い作品が作れる映像作家だと思う
前半のトニー・メンデスがこの救出作戦を想い付き現地入りする迄の準備を整える間に起こる官僚達とのやり取りの緊迫感と、後半の正に現地における、人質の救出迄の秒読みの作戦遂行の過程の再現が何よりも観る者達に緊張感、そして臨場感を運んでくれるのだ。
事前に実話と言う事を知りながら、観客はこの物語を観る事で、現実の持っている本当のドラマチックな人生の展開に観客が、固唾を飲んで見入る為に、より史実に出来る限り忠実に当時の様子を再現させながら映像を見せられている事で得られる緊張感が、よりリアルな恐さと緊張感を濃密なものにしてくれる!
この映画の美術監督及び、セット制作のメンバー達は、さぞや苦労して当時の再現を完成させた事だろう!
そして音楽もまた良いし、映画の画面の作り方の雰囲気も、70年代に制作された映画を観ていると錯覚する程の、ノスタルジー感を覗わせている本作を、私は今年後半の下期ベストワン映画として選びたい!
ベン・アフレックの演じるトニー・メンデスが何故妻と別居する事になったのか?などの私生活が深く描かれていない点も逆に、リアリティーを持たせていて、素晴らしい!
私には、米兵と結婚した友人がいるのだが、夫からは任務に付いては全く知らされる事が無いと言う。例え半年家を離れていても、今日どこで、どんな作戦に関わっているかは、国家機密に成る為に、家族にも他言される事は皆無だと言う。それ故、総てを包み隠さず打ち明けて生きる事が出来ずに、何時も作戦遂行の為に誰かに成りすまして生きなければならない男の孤独な表情がポイント的に描き出されているのも良い。空港からのハガキとラストの再会のシーンはトニーの誠実さの現れる素晴らしいシーンで感動的だった!
偽映画、観たかったなぁ。
ベンアフがまた面白い作品を作ったとは少し前から評判だったが、
まさか今作だとは思わなかった(ゴメンね)
劇場でチラシを見た時から、これは面白そうだと(映画ファンならば)
けっこう期待していた。
だいたいニセ映画で人質を救おう!なんて、ひとつ間違えばコメディ
になり兼ねないストーリーだというのに、これが実話と言うのだから
凄い、事実は小説より…を地でいくわけだ。
しかし当たり前ながらこのアルゴという作品…まったく知らなかった。
というか、ここまで進んだならキャストを設定して最後まで作って
しまいには、あの過激派たちにも観せてやりたかったくらいだ。
でも絶対、ヒットしなかった気がするけど(事実を知らなければねぇ)
当時、よくニュースでパーレビ国王の名前は流れていた。
カーター大統領といえば、リアル世代である^^;彼が大統領の座を
レーガンに明け渡した原因がこの「イランアメリカ大使館人質事件」の
救出作戦失敗ともいわれているので、歴史背景としても興味がある。
怖い話といえば確かにその通り、イランって国は宗教に纏わる物事を
平和且つ友好的に解決しようという気はサラサラないことが分かるが、
対する米国はどうだろう、イラン人の気持ちを考えたことがあるのかと、
(分かり易く冒頭で説明が入る)平和な日本人からみればアラアラ…と
思うことばかり。業を煮やした国務省が頼み込んだのがCIAっていう、
すぐさま映画の題材になりそうな事件が本当に起きていたのがすごい。
そうはいっても、、、簡単に6人を救出できる状況ではない。
よくやったカナダ大使!と言いたいところだが(まだ早い)、この時点で
彼らの潜伏先が早々に判明してしまう恐れの方が大きかったのだ。
そこで思いついたのが…(いいよね、この人の発想力)ニセ映画製作^^;
素人が聞いたって「いや、それはムリですよね」って尻ごみするところを
「じゃあ他に何かあるのか、言ってみろ!」と言われれば、皆無なのだ。
この期に及んで「なぜ英語教師はダメなんだ?」「自転車ではダメか?」
なんてバカを抜かす官僚どもが多く、どっかの国のアホ連中みたいだ。
時間は迫るし、手立てはないし、こういう時の決断っていうのは案外
荒唐無稽の方が相手の裏をかける(あまりに大胆で)ものかもしれない。
しかし、偽映画製作までの偽プロットが観ていて本当に面白かった。
決して笑える状況ではないのに、あの二人(アランとジョン)がいかにも
なプロデューサーとメイクアーティストの演技で大笑いさせてくれた。
特にメイクのJ・チェンバースは実在の人物で、あの「猿の惑星」により
アカデミー名誉賞をとってしまった有名人。彼の友人だったメンデス
(ベン)は彼とシーゲル(アラン)に一芝居うたせるのだが、自ら率先して
楽しんでしまう二人に、メンデスも面喰う一幕があったほど。
二人の掛け合いに大笑いしているうちに、作戦は佳境に入っていく…。
後半戦、空港での息詰まるやりとりには緊張感MAX!
前夜突然の作戦中止命令により、ここまでの苦労が水の泡、人質達の
運命やいかに…という状況の中、メンデスの強行突破は吉と出るのか。
緊張感高まる中、映画の原画を見せて過激派を喜ばせてみたり^^;と、
大胆な手法で迫るメンデスと人質達。
公開処刑なんて冗談じゃない!絶対に生きて帰るぞ!脱出するぞ!の
心意気が随所に漲るが、旅客機が領空を出るまでの緊張感ときたら!!
もともと飛行機が苦手な自分は、ますます飛ぶのが怖くなってしまった。
エンド前にカーター元大統領の演説と、人質達の映像と写真が流れる。
演じた俳優と並べられた写真がソックリなのに驚く。同一人物か!?
リアル重視の演出に拘るベン、率なく纏めた正統派の地味な作りに
脱帽するものの、是非次回は少しエンタメを取り入れて、楽しい作品を
仕上げてみるのもいいんじゃないかしら。色々な方向性を観てみたい。
(しかしマットもベンもいい俳優人生を歩んでる。踏み外してないもんね)
遠山の金さん
手に汗握るシーンもあれば 危機脱出の痛快さに笑顔がこぼれるシーンも。 ストーリーに強弱をつけることでエンターテイメントとしても確立している 本作品。 脚色があるとはいえ、実際にあった出来事と言われれば ますますストーリーに引きこまれます。 『グッド・ウィルハンティング(1997)』や『ザ・タウン(2010)』を手掛けた時と同様、ベン・アフレックの才能を見せつけられた気がしました。 製作にジョージ・クルーニーが名を連ねていますが、政治知識を持ち込みたがるジョージの演出を 抑えて・絡ませて“分かりやすい作品”に仕上げているところも ベンの力量だと思います。
見ていて気持ちがいいのは、やはり “遠山の金さんテクニック”を取り入れたからじゃないでしょうか。 盛り上がるシーンではほぼ誰かが良いセリフを残す、桜吹雪までは見せずとも その強い願いと気迫と 眼差し。映画の撮影という隠れ蓑アイデアで挑んだ時も、イランに入国する際も、人質6人を命をかけて守る覚悟を語った時も、聞く人の心をとらえるトニー(ベン・アフレック)の 金さんバリのソフト啖呵。 また 彼だけでなくレスター・シーゲル監督(アラン・アーキン)やトニーの上司ジャック・オドネル(ブライアン・クランストン)、トリを務めたジョー・スタフォード(スクート・マクネイリー)などの強気で乗り切るトークも すべてピタッとはまってます。
中東情勢やアメリカ・カナダの国交(友好)など、歴史を学ぶという意味で 優良作品と言えます。 ハッピーエンドでありながら、今もなお続く各地での戦争や暴動を思い起こさせる。。。 難しいテーマをうまくまとめあげている 4.5評価。 現地(中東・イラン)の様子はリアルなのに ロサンゼルスと映画関連(アルゴ作戦)のシーンは ちょと雑さを感じたので、マイナス0.5としました。
P.S. (『96時間 リベンジ(2012)』や『007スカイフォール(2012)』と同様)この作品でもトルコが撮影場所になっていて、年末年始で トルコ旅行が増えそうな予感です。
ここまで徹底するのか!!!Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
最近映画やらドラマやらを観てて、手に汗握るという経験をしてなかったけど・・・
ほんっと~~~~~~~~~に久々に
文字通り「手に汗握る」経験をしました(゚∀゚)
1979年のイラン革命の時期、革命軍がアメリカ大使館を占拠して外交官52人を人質に取ったが、占拠される直前に6人が脱出に成功して、カナダ大使の邸宅にかくまわれていたという実話をもとにした映画。
CIAのトニー・メンデス諜報員がその6人を救出するため、アルゴという架空の映画をでっち上げてその6人をロケハンスタッフに仕立てて逃げるという計画を立てる。
そもそもこのイラン革命は、アメリカとイギリスがイランの石油利権を独占するためにイランの首相を失脚させたことから発生したもので、元はと言えばアメリカとイギリスが原因。
この6人は見事逃げおおせたことは歴史上の事実として分かってることだけど、クリントン大統領の時代になるまで闇に隠されていた。
つまりアメリカは、自分のせいでこの事件が発生したことを隠してたわけ。
しかしアメリカっていう国は実に潔いと言うか、徹底的にやると言うか・・・
まず遠い過去の事実とは言え、自分たちが原因で発生したことを公表して反省する姿勢も大したもんだと思う(=´∀`ノノ゙☆パチパチパチ
ブッシュはアメリカの正義をことさらに主張して、イラクをことさらにテロリスト扱いしてフセインを叩き潰したけど、結局それは自国の経済不況や混乱を外に向けさせるため。
でもこの映画ではイランを悪とはしておらず、アメリカを善としてもいない。
そして救出するために偽映画をでっち上げるにも、一度企画が上がって没になった映画を持ってきてさらに『猿の惑星』の特殊メイクスタッフにまで話を持って行くという徹底ぶり。
そのために事務所や企画書、宣伝用ポスターに映画の絵コンテ、さらに実際の予告編まで作るという手の込んだ偽装はさすがです(゚д゚)イーヨイイヨー
トニー・メンデスがイランに入って、カナダ大使館にかくまわれてる6人に会って事情を話してからの怒涛の展開は圧巻ですなΣ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ!
いつカナダ大使館に革命軍がなだれ込んでこないとも限らないし、いつ民衆が暴動を起こさないとも限らない、ぎりぎりの切迫した状況の中で映画のロケハンに扮するためシュミレーションを繰り返す。
特に繁華街に行った時の緊張感と言ったらもう・・・ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
体が当たった当たらないで因縁をつけられただけで、もう白人ってだけで殺されかねないという切迫感。
無駄にスローを多用したり、ストップモーションを使わないで、あくまで淡々と流れていくのがまた緊張感を倍増させる効果があると思う。
人質6人の人間ドラマ的な要素は必要最小限にとどめてあって、あくまで脱出劇とそれが実行されるまでの様々なやり取りに多くの時間を割いてることで、話の緊張感を持続させる効果も出てる。
そしていざ実行という段階になって、CIA上層部は作戦中止を決定。
今だったらネットや携帯があるから作戦中止命令もすぐに届くだろうけど、当時はネットも携帯もないわけだからその知らせはすぐには届かない。
だからトニー・メンデスと人質6人は作戦中止の決定を知らずに実行に移そう着々と準備を整えて行くから、事態は余計にこじれていく。
作戦中止の命令が届いたのは実行前日という最悪の事態にΣ(゚д゚;)ガーン
しかしトニーは上司を説得し、上司は長官の息子の幼稚園だと偽って直接長官に電話を取り次ぎ、作戦決行をごり押しして人質を救出しようと奔走する。
イランでは女子供を使って、シュレッダーにかけられた重要書類を1本1本つなぎ合わせて内容を読み取らせる作業をしていたが、徐々に逃げ遅れた人質の顔写真やプロフィールが判明していき、追っ手が伸びていく・・・
そんな中トニーは脱出計画を決行し、実に捕まるか捕まらないか、ばれるばばれないかの緊迫したシーンがラストに向けて怒涛のように続いていく。
画面のタッチも暗めで、そして当時VTRなどを使ってほんとに1970年代的な雰囲気が全体に感じられる。
エンドロールで当時の写真や人質本人の写真と映画の絵を比較してるけど、ほんとにそっくりだし光景も本物と全く同じ形で再現してる。
最後の最後まで目が離せない(`・д・´)9m ビシッ!!
冗談抜きで「手に汗握る」脱出劇を久々に味わいましたわ(・∀・)
とにかくスタイリッシュに、テンポ良く話が進んで行って、とんでもない緊張感を味わえる。
最後脱出に成功することは分かってるけども、この緊迫感は半端じゃない!!!
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