「遠山の金さん」アルゴ Blueさんの映画レビュー(感想・評価)
遠山の金さん
手に汗握るシーンもあれば 危機脱出の痛快さに笑顔がこぼれるシーンも。 ストーリーに強弱をつけることでエンターテイメントとしても確立している 本作品。 脚色があるとはいえ、実際にあった出来事と言われれば ますますストーリーに引きこまれます。 『グッド・ウィルハンティング(1997)』や『ザ・タウン(2010)』を手掛けた時と同様、ベン・アフレックの才能を見せつけられた気がしました。 製作にジョージ・クルーニーが名を連ねていますが、政治知識を持ち込みたがるジョージの演出を 抑えて・絡ませて“分かりやすい作品”に仕上げているところも ベンの力量だと思います。
見ていて気持ちがいいのは、やはり “遠山の金さんテクニック”を取り入れたからじゃないでしょうか。 盛り上がるシーンではほぼ誰かが良いセリフを残す、桜吹雪までは見せずとも その強い願いと気迫と 眼差し。映画の撮影という隠れ蓑アイデアで挑んだ時も、イランに入国する際も、人質6人を命をかけて守る覚悟を語った時も、聞く人の心をとらえるトニー(ベン・アフレック)の 金さんバリのソフト啖呵。 また 彼だけでなくレスター・シーゲル監督(アラン・アーキン)やトニーの上司ジャック・オドネル(ブライアン・クランストン)、トリを務めたジョー・スタフォード(スクート・マクネイリー)などの強気で乗り切るトークも すべてピタッとはまってます。
中東情勢やアメリカ・カナダの国交(友好)など、歴史を学ぶという意味で 優良作品と言えます。 ハッピーエンドでありながら、今もなお続く各地での戦争や暴動を思い起こさせる。。。 難しいテーマをうまくまとめあげている 4.5評価。 現地(中東・イラン)の様子はリアルなのに ロサンゼルスと映画関連(アルゴ作戦)のシーンは ちょと雑さを感じたので、マイナス0.5としました。
P.S. (『96時間 リベンジ(2012)』や『007スカイフォール(2012)』と同様)この作品でもトルコが撮影場所になっていて、年末年始で トルコ旅行が増えそうな予感です。