「ここまで徹底するのか!!!Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ」アルゴ 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
ここまで徹底するのか!!!Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ
最近映画やらドラマやらを観てて、手に汗握るという経験をしてなかったけど・・・
ほんっと~~~~~~~~~に久々に
文字通り「手に汗握る」経験をしました(゚∀゚)
1979年のイラン革命の時期、革命軍がアメリカ大使館を占拠して外交官52人を人質に取ったが、占拠される直前に6人が脱出に成功して、カナダ大使の邸宅にかくまわれていたという実話をもとにした映画。
CIAのトニー・メンデス諜報員がその6人を救出するため、アルゴという架空の映画をでっち上げてその6人をロケハンスタッフに仕立てて逃げるという計画を立てる。
そもそもこのイラン革命は、アメリカとイギリスがイランの石油利権を独占するためにイランの首相を失脚させたことから発生したもので、元はと言えばアメリカとイギリスが原因。
この6人は見事逃げおおせたことは歴史上の事実として分かってることだけど、クリントン大統領の時代になるまで闇に隠されていた。
つまりアメリカは、自分のせいでこの事件が発生したことを隠してたわけ。
しかしアメリカっていう国は実に潔いと言うか、徹底的にやると言うか・・・
まず遠い過去の事実とは言え、自分たちが原因で発生したことを公表して反省する姿勢も大したもんだと思う(=´∀`ノノ゙☆パチパチパチ
ブッシュはアメリカの正義をことさらに主張して、イラクをことさらにテロリスト扱いしてフセインを叩き潰したけど、結局それは自国の経済不況や混乱を外に向けさせるため。
でもこの映画ではイランを悪とはしておらず、アメリカを善としてもいない。
そして救出するために偽映画をでっち上げるにも、一度企画が上がって没になった映画を持ってきてさらに『猿の惑星』の特殊メイクスタッフにまで話を持って行くという徹底ぶり。
そのために事務所や企画書、宣伝用ポスターに映画の絵コンテ、さらに実際の予告編まで作るという手の込んだ偽装はさすがです(゚д゚)イーヨイイヨー
トニー・メンデスがイランに入って、カナダ大使館にかくまわれてる6人に会って事情を話してからの怒涛の展開は圧巻ですなΣ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ!
いつカナダ大使館に革命軍がなだれ込んでこないとも限らないし、いつ民衆が暴動を起こさないとも限らない、ぎりぎりの切迫した状況の中で映画のロケハンに扮するためシュミレーションを繰り返す。
特に繁華街に行った時の緊張感と言ったらもう・・・ガクガク((( ;゚Д゚)))ブルブル
体が当たった当たらないで因縁をつけられただけで、もう白人ってだけで殺されかねないという切迫感。
無駄にスローを多用したり、ストップモーションを使わないで、あくまで淡々と流れていくのがまた緊張感を倍増させる効果があると思う。
人質6人の人間ドラマ的な要素は必要最小限にとどめてあって、あくまで脱出劇とそれが実行されるまでの様々なやり取りに多くの時間を割いてることで、話の緊張感を持続させる効果も出てる。
そしていざ実行という段階になって、CIA上層部は作戦中止を決定。
今だったらネットや携帯があるから作戦中止命令もすぐに届くだろうけど、当時はネットも携帯もないわけだからその知らせはすぐには届かない。
だからトニー・メンデスと人質6人は作戦中止の決定を知らずに実行に移そう着々と準備を整えて行くから、事態は余計にこじれていく。
作戦中止の命令が届いたのは実行前日という最悪の事態にΣ(゚д゚;)ガーン
しかしトニーは上司を説得し、上司は長官の息子の幼稚園だと偽って直接長官に電話を取り次ぎ、作戦決行をごり押しして人質を救出しようと奔走する。
イランでは女子供を使って、シュレッダーにかけられた重要書類を1本1本つなぎ合わせて内容を読み取らせる作業をしていたが、徐々に逃げ遅れた人質の顔写真やプロフィールが判明していき、追っ手が伸びていく・・・
そんな中トニーは脱出計画を決行し、実に捕まるか捕まらないか、ばれるばばれないかの緊迫したシーンがラストに向けて怒涛のように続いていく。
画面のタッチも暗めで、そして当時VTRなどを使ってほんとに1970年代的な雰囲気が全体に感じられる。
エンドロールで当時の写真や人質本人の写真と映画の絵を比較してるけど、ほんとにそっくりだし光景も本物と全く同じ形で再現してる。
最後の最後まで目が離せない(`・д・´)9m ビシッ!!
冗談抜きで「手に汗握る」脱出劇を久々に味わいましたわ(・∀・)
とにかくスタイリッシュに、テンポ良く話が進んで行って、とんでもない緊張感を味わえる。
最後脱出に成功することは分かってるけども、この緊迫感は半端じゃない!!!