「結局アメリカ推し」アルゴ MAPLEさんの映画レビュー(感想・評価)
結局アメリカ推し
イランをわざと英米が混乱に陥れ、英米の思惑で立てたパフラビ国王が贅を尽くし国民を苦しめる国政だったため、反体制派のホメイニに国王が変わった後も、国民が癌のパフラビを受け入れたアメリカに暴動を起こし、アメリカ大使館に押し寄せる。
人質の一部6人はカナダ大使館に脱出するが、シュッレッダーにかけられたアメリカ大使館の顔写真付き職員名簿が復元されれば6人は反逆罪の拷問で命が確実に危ない。
そこで、ベンアフレック扮するCIAの救出専門家と、それを信じてシナリオを叩き込んだ6人が身分を偽証し、すんでのところで脱出する。
実際どれくらいの緊迫感だったのかわからないが、あと何か1つでもうまくいっていなければ間に合っていなかったであろう緊迫感が手に汗握る。テンポが良くてとても面白かった。ハリウッドの裏側の言ったもん勝ちのようなうさんくさい空気感も出ていて良かった。製作監督でもあるベンアフレック、すごいなぁ。ジョージクルーニーもプロデューサーの1人。
でも、結局、アメリカ万歳、CIA万歳な展開で、イランの反体制派の人々は怖い印象で終わってしまう。英米のせいでおかしな国政となり、生活や家族や人権を奪われた貧困生活に声をあげた国民が、アメリカ兵に殺されたりした理由があって暴動が起きている事は、最初のアメコミ風プロローグのみ。撮影は1度もイランに行っていない。それも、アメリカが、イランが核兵器を持っていると因縁をふっかけて経済封鎖していた時期だから。アメリカっぽいなと思った。大活躍したカナダ大使館の家政婦さんが、イラク亡命、損なくじ。