「英雄の真実」フライト littleゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)
英雄の真実
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不具合が生じていた機体にたまたま搭乗した機長が類稀な技術と経験を基に犠牲者を最低限の人数に抑えたことで、当初は世間から英雄として持て囃されるも調査が進むに連れて機長の私生活で抱えるアルコール及び薬物依存症という問題が浮き彫りになっていく。
物語序盤はとにかくダメ人間で常に自分に嘘をついて自分を正当化して人生を送っていた人間で見ている方は嫌な気持ちになる部分があった。
周りを取り囲む自分の保身のために嘘をつかせようとする人間の方が多数で、現実も結構こんなものだと思いそういう点は胸糞悪いと思いながらもリアルだなと思った。
そしてそういう人間に囲まれると、まともな意見を言ってくれる人間の言葉は雑音に聞こえ、どん底に突き進む機長が最後の聴聞委員会に出席する前もアルコールと薬物に犯された状態だったのでこのままプライベートでも関係を持っていた、事故で亡くなった客室乗務員に罪をなすりつけて終わりの展開かと思ったが、少しばかり残った人間の心で自分の状態を懺悔した時はギリギリ救われた気持ちになった。
最後は刑務所に収監されてから1年ほど経った刑務所内のプログラムで自分の愚かさを語る場面に移行して、そこでしっかりと自分の問題と向き合っている姿が描かれていた。
世の中でも大なり小なりこういうことは起こっていると思うと結構リアルな問題で考えさせられる部分もあった。
何回も見たいと思うような内容ではなかったけど自分と向き合わないと後々ツケが回ってくるという教訓にはなった。
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