「女王様は哀しい。」ヤング≒アダルト ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
女王様は哀しい。
今作を笑えるかどうか。
そこが価値観の分かれ目のような気がするけど、
私は正直、笑えなかったなぁ。
見れば見るほど彼女の行動がイタイ。そこまでいくか。
これが映画ならではのキャラで、あり得ないよね~なら
笑い飛ばせるのに、実際にこういう女って存在するのだ。
レイトショーで観てしまったため、どうも寝入りが悪かった。
いい悪いというよりも、面白い面白くないというよりも、
結局問題提起だけして解決がなく、周囲は投げっぱなし。
私は成長したのよ!なんて息まく主人公(相変らず)と裏腹に、
これだけのフラストレーションを観客は見事に被ったのである。
ある意味、すごい作品である。
そしてそのイヤ~な女の役を、よくぞやったS・セロン!
美人という持ち味を最大限に活かして^^;怠惰で自己中で、
まさしくヤングアダルトな女性を演じてみせた。さすがだね。
インタビューで彼女は、見たことのない自分を見せたかった、
これが彼女?と思ってもらえたら、すごく嬉しいと語っていた。
何にでもチャレンジする女優だなーと思う^^;
いやしかし~。どうですかね、この女性像。
ここまで酷いのはいない?としても(故郷に帰ってここまでやるか)
勘違いしっぱなしの女は多いですよねぇ、いつも自分が一番の。
観ていて面白いと思ったのは(たまたまかもしれないけど往々に)
学生時代に派手だった子って、社会に出てアレっ?なのが多い。
逆に誰このヒト?と目立たない子が、おぉ!の如く出世している。
私は同窓会とか出てないので分からないが、そういう情報を
いちいち流してくれる悪友はいるんである。今だに情報がくる。
どうでもいいじゃん、他人の人生よ。なんて思ってはいるが、
自分の知らないところで情報は走ってるんだなぁと変な気がする。
今作でいちばん怖かったのは、
息巻いて田舎をバカにする彼女が、いちばん哀れまれてる部分。
皆が彼女の実状を知っていて、今どうなのかも分かっている。
そこにまったく気付かない^^;、どこまで哀れなんだ^^;、と思う
この女(爆)が、これまたまるで萎れないところもスゴイ。強固。
自身が決めたこの世界、を揺るがすことなく邁進する狡猾さだ。
常に他人に気を使ってばかりで、やれ「疲れた~疲れた~」を連発
する人には、いちばん迷惑で、いちばん羨ましい相手かもしれない。
子供は、正直で我儘だ(本来は)。
思ったことを口にし、気に入らなければケンカして、しまいには
泣きわめいて、すべてを解決しようと図る。
子供時代に思いきり女王様を味わえば満足して大人になれるのか。
いやいや、そのまま女王様で周囲に迷惑をかけ続けるのか。
だけど今作で面白いと思ったのは、そんな女を愛おしいと思える、
特異なキャラの男性もいるってことだ。ホント人間ってのは懐が広い。
その彼でさえも置き去りにし(爆)その妹にも捨て台詞を吐き(汗)
自分だけ成長した!気分で意気揚々と帰っていく彼女がまた凄い。
今度は彼女のシニアな姿でも観てみたいが、多分成長はしてない。
(セロンも普段はああいう格好してるそうですよ^^;あらまぁ不思議~)