「あくまでも結局「エイリアン」物」プロメテウス k.moriさんの映画レビュー(感想・評価)
あくまでも結局「エイリアン」物
人類の起源とは、と銘打っていたので、結構知的興味を充たせるかも、と思い鑑賞してみたものの、結局、あいも変わらぬ「エイリアン」物であった。
映像は相当に金をかけていると思われ、それ自体は楽しめる。また、「エイリアン」物が好きな人、H.R.ギーガーが好きな人にはそれなりに楽しめる作品であろうと思われる。
個人的には、人間を創造したともされる知的な生物が、獣のようにオドロオドロしく薄気味悪く、残虐性バリバリという演出は、あまりにも非現実的で、考えが浅いというか、稚拙というか、馬鹿馬鹿しい。
人類の先祖、あるいは、創造主と思われる存在とは別に、彼等が開発した(?)生物が相変わらずの「エイリアン」そのものなのだが、わざわざああいう攻撃的な生物を登場させないとストーリーが貧弱になってしまうと考えているのか、もともと脚本が貧弱で、「エイリアン」でも登場させないと、作品全体に切れがなくなると考えて登場させたのかわからないが、いい加減もういいだろう、という感じがする。作品の主要なテーマではないにも関わらず結局主役みたいな扱われ方になっている。
ただ、我々人類を創造した、先人類のような存在が、我々同様にエイリアンをも創造していたということになれば、それはそれで面白くも感じる。
今回の作品では、何らストーリー的に決着がついておらず、あきらかに次作を意識した作りになっているのであるが、次作がそれほど刺激的な内容になるのかどうか。創造主の星での描写に期待というところか?
結局、この作品はあくまでも「エイリアン物」であり、エイリアンシリーズの続編的作品なので、そのつもりで鑑賞されたい。
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