「人間が一番厄介な動物である」幸せへのキセキ 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
人間が一番厄介な動物である
ズブの素人が何の因果か、廃れた動物園のオーナーに就く噺ってぇっと、かの名作『ワンダとダイヤと優しい奴ら』の主要ファミリー4人が再結集した『危険な動物たち』を真っ先に思い浮かべるが、此方のファミリーは本物の家族で、しかも実話だってぇから、笑いも涙においてもドラマ性の深味が何枚も上手であった。
環境面、資金面、家族や従業員とのゴタゴタetc.、次々沸き出す問題に対して、深刻にならず、粋な笑いへと転化するセンスに唸ってしまったのは、物語全体に散りばめられた気さくな台詞のやり取りに尽きる。
その絶妙な掛け合いは対人だけでなく、熊や虎etc.獰猛なアニマルたちにも遺憾なく発揮されており、絶体絶命な場面でもなぜか微笑ましい。
最大のヒールである許可局の役人との対立はちょっとコミックテイストに成りすぎて、浮いていた印象を受けたけど、それを含めて、人間というケダモノの愛嬌を甘辛くたっぷり表現していたと思う。
主役のマット・ディモンは勿論、スカーレット・ヨハンソンやエル・ファニングetc.豪華なのに無駄なカリスマ性を省き動物たちと触れ合うキャスティングの妙も大きい。
特に『スーパー8』のマセたヒロインが記憶に新しいエル・ファニング嬢は今作でもとても愛くるしく、小悪魔ぶりに見とれるのも楽しみ方の一つではなかろうか。
私はヨハンソン嬢一筋やけどね(笑)
今作の彼女は『アイアンマン』とは打って変わって、素朴でキュートやったなぁ〜。
機会が有れば、ぜひ私にも餌付けして欲しいものである。
…っと、相変わらずしょ〜もない飼育願望を抱きながら最後に短歌を一首
『冒険の 宿替え招く 獣の園 触れ合うコツは 檻なき自由』
by全竜
コメントする