「銃は子供たちを救う?」マシンガン・プリーチャー 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
銃は子供たちを救う?
刑務所帰りで荒れた生活を送っていたサムは、ある事を機に妻の勧めでキリストの洗礼を受け、改心。ボランティアでアフリカの紛争地に赴き、子供たちの過酷な現状を目の当たりにし…。
悪くない話ではある。
やり直す事の出来る人生。
自分には何が出来るのか。
子供たちと触れ合い、子供たちの為に教会や孤児院を建てる。
しかも実話。
だけど、どうしても釈然としない点もある。
まず、序盤。まだ荒れてた頃。悪質ヒッチハイカーを刺し、道路に投げ捨てる。
実はこれで自責の念に駆られ、改心するのだが…そのヒッチハイカーは一命を取り留めたにせよ、重傷を負わせたのは事実。なのに、罪に問われる描写が無いのは如何ともし難い。普通だったら刑務所に逆戻りでは? それからサムはアフリカの子供たちの為に奔走し、善意ある行動でその罪が帳消しされているような気がする。
また、サムは再び銃を手にする。子供たちを救う為に。
世の中には話で解決出来ない相手もいる。時には強行手段が必要な時もある。
が、どうも銃を持つ事を正当化しているような気がする。
ご本人もエンディングに登場して力説。
作品も感動するべきなのか、衝撃を受けるべきなのか、ちょっと判断に困る。
決して、駄作ではないが。
こういう男が居たという事だけでも知っておいて損は無い。
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