「メリル・ストリープの女優力」マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
メリル・ストリープの女優力
現役時代の貫き通す激しさ、老いて曖昧な世界を漂う心細さと孤独感。
メリル・ストリープの女優力を堪能しました。
実家の追憶は短時間ながら印象的でした。少女が選んだのは、自分の母親をあれほど遠くに感じる、タフで孤独な生き方。
マーガレットの娘時代から初当選までを演じたアレクサンドラ・ローチがよく合っていて、違和感なくメリル・ストリープと行き来できました。初当選頃の活動や、一般女性との距離感なども垣間見られると、もっと彼女に近づけたかもしれません。
当時、あまりに急進的な英国の改革の弊害に、"緩やかな改革"、"ソフトランディング"といった言葉をよく聞きました。だけど今、穏やか過ぎて自分達の違憲状態を正すことすら出来ない国会を持つ国の民としては、彼女のような強いカリスマを待ち望む気分が芽生えはじめてもいます。うすら寒いことです。
コメントする