劇場公開日 2012年3月16日

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「良い賞を取ったということでリバイバル上映。良かったです。」マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5良い賞を取ったということでリバイバル上映。良かったです。

2023年7月6日
PCから投稿

知的

難しい

幸せ

今年224本目(合計875本目/今月(2023年7月度)10本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

GAGAシリーズさんで過去に賞を取ったものなどは、現在大阪市では作品入れ替えでリバイバル上映されていて、その関係でチョイスしました。

イギリス発の女性首相であるところの彼女の、生きていた中での一部分を切り取ったものです。歴史背景的に当時のフィルム等は一切残っていないようですが、当然あることないこと描けませんので、大筋において史実と変わらず、したがってこの意味でドキュメンタリー映画に属するともいえます。

賞をとっただけあって素晴らしい作品で知的な作品であると同時に、このことは、当時のイギリスをはじめ、さらにイギリス以外の各国の動向なども知らないと理解ができない字幕も多く、なかなかに苦労しそうな映画です(それでも賞は取れたので、こうしたイギリス史というのは日本ではあまり扱いませんが、常識扱いされているのでしょうね)。ただ、まぁいって高校世界史レベルで、一つ二つの字幕がわからないと全体が煙に巻かれるということはない点が良かったです。

いわゆるヨーロッパの一つに過ぎないイギリスという一つの国が、どうして戦中戦後を経て(経済的、などの意味において)大きな国となりえたのかを知ることができる点で非常に評価は高いかな、というところです。また、映画の趣旨上、他国に関する描写・字幕も出ますが、そこについても「特段」各国(特に、ドイツやフランス。フランスとイギリスは伝統的にあまり仲が良くないとされる。百年戦争による)を害するような部分もなく好印象です。

 採点に関しては下記を考慮して4.5までにしています。

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 (減点0.3/「審査請求」の指す語の意味が不明)

 ・ イギリスは英米法の国でいわゆる法律を持たない(コモン・ローによる支配)国である上、当然日本でいうところの行政不服審査法が(姿を変えてでも)当時のイギリスにあるはずもなく(その前提だと、展開がおかしくなる)、ここの「審査請求」はその意味ではなく、単に「何らかの不服があることがらについて行政にもう一度聞いてみる」程度の「日本語・漢字的」な意味で見た方が早いです(資格持ちが混乱するような字幕は避けてほしかったですが、若干古い映画ですし仕方がないでしょう)。
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yukispica