劇場公開日 2012年2月25日

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「リチャード・ギアには似合わない役どころ」顔のないスパイ bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0リチャード・ギアには似合わない役どころ

2023年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

難しい

今から11年前の、リチャード・ギアもまだ脂がのっている頃の作品。彼には珍しく、FBIやCIAが絡んだサスペンス・ミステリー。しかし、彼の甘いマスクからすると、やはりこうしたサスペンスは似合わないし、凄腕の殺し屋としての緊迫感が感じられないのも事実。やはり彼には、『プリティー・ウーマン』のラブ・ストーリーの紳士役のイメージが強い。

展開は、冒頭からのミスリードで、終盤になっていろいろとサプライズなどんでん返しを仕組んでおり、決して面白くないわけではない。しかし、無駄に凝り過ぎていて、「エッ、どういうこと?」直ぐに展開が呑み込めなく、鑑賞後に他の方のレビューを読んでようやく納得した。

要は、リチャード・ギア扮する凄腕の二重スパイのポールが、凶悪犯として復活したカシウスを追跡し、妻と子の復讐を成し遂げようとする物語。だが、そのカシウスこそが、ポール本人と言うのだから、これだけでも複雑…。そこに、ポールと共に捜査に乗り出す若造の相方・ベンもまた、別の顔を持つスパイだったという顛末の、二重構造のストーリーとなっている。

物語は、上院議員が首を斬られて殺される事件が発生するところから始まる。その犯行の手口こそ、嘗てポールが追っていたカシウスの手口。その殺人事件の捜査に乗り出したCIAのポールに、FBIKの若造のベンが相方として指名される。当初は、ベンの頼りなさに辟易していたポールも次第に情が湧き始め、友情が芽生えていく。そんな中でベンは、カシウスの正体も知ることとなり、ポールの本当の目的も明らかになった時、ベンの正体も明かされるという、とにかく複雑なラストを迎える。

先にも書いたが、やはりリチャード・ギアにこの役を抜擢したのは、配役ミスではないだろうか。激しいカー・チェイスやアクションの際も、スマートで表情のないクールさの為、命がけの必死さが伝わってこなかったのが残念だった。

bunmei21