「葉っぱがあるとないんでは、料理が違うて見えるな」人生、いろどり shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
葉っぱがあるとないんでは、料理が違うて見えるな
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映画「人生、いろどり」(御法川修監督)から。
「徳島県上勝町」で実際にあった話に基づいて、製作された。
全国各地で、自然しか資源のないまちでは、過疎が進み、
残るのは高齢者ばかり、そんな話を耳にするが、
ちょびり参考になる「まちおこし」と言えそうだ。
山に行けばいくらでも手に入る「葉っぱ」を売るビジネスが、
生き甲斐のなかった高齢者の女性によって花開いたから。
いろいろな料理に添えられた葉っぱを称して「つま」と呼び、
「まぁ、ないより、あったほうがまし」と冷やかすが、
その「つま」は、実は主役の料理を大いに引き立たせている。
その雰囲気に驚かされた男性がぼそっと呟く。
「葉っぱがあるとないんでは、料理が違うて見えるな」。
そんな呟きを聞いて、女性はしやきっと答えた。
「脇役だけど、主役を引きたてる役目を果たしとんのよ」
(徳島の方言が、ちゃんと文字になっているか不安ですが・・)
「主役の料理と葉っぱのつま」の関係は、
切っても切れない夫婦を関係に似ているな、とメモをした。
「(葉っぱビジネスを続けることで)、誰に何を言われてもいいん、
ほなけん、お父ちゃんだけは嫌いにならんといて」と妻、
「みそこなうな、何十年、夫婦やってきたと思うんじゃ」と夫。
この喧嘩みたいな会話が、さらに夫婦の関係を輝かせる。
この光景を見ていた若い人恋人たちは、
「夫婦って、ようわからんもんやな」と男性が呟き、
「私も、あんな夫婦になりたいな」と女性が笑顔で返す。
まちおこしの話だと思っていたら、夫婦の話だったなぁ、この作品。
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