「若松監督の三島評価を明確にして欲しかった」11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

1.0若松監督の三島評価を明確にして欲しかった

2021年6月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

昨年は三島由紀夫没50年ということもあり、たくさんのドキュメント番組があったり、
また、学生時代に「楯の会」の流れを引く
会のある学生寮にいた縁もあり鑑賞。

しかし、上っ面を撫でただけに見えたり、
表現が直接過ぎて、主役2人の内面に
迫れていたとの印象は受けなかった。

また、井浦新は力演しているのかも知れない
が、顔が三島由紀夫らしくないのと
肉体的な対応も不足していて、
臨場感を持って三島の世界とその時代には
浸ることが出来なかった。

実際、若松監督は三島の思想を
どう受け止めていたのだろうか。

三島には、天皇を頂点とする理想の国家像と
現実の天皇像に
相当のギャップを感じていたはずだ。
だから、本当のことか判らないが、
吉田喜重の映画「戒厳令」での、
死刑執行直前に「天皇万歳と唱えないのか」と問われた際の北一輝の
「私は死ぬ前に冗談は言わないことに
しているのです」との最期の台詞のように、
若松監督には、御自身の三島への評価を
インパクトのある形で表現して欲しかった。

KENZO一級建築士事務所