「印象的」デタッチメント 優しい無関心 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
印象的
人には、三人の自分がいる。⑴こうなりたいと思う理想の自分、⑵理想に近づこうと努力する自分、⑶ちっとも現実化できない自分を罰する自分。
理想のロールモデルが不在のため、自分の理想像を描けない。
非行を重ね、あえて不幸な道に進む若者は、自分を傷つけることで自分を罰しているように見える。
無意識の自罰は、サディスティックで残酷だ。
人より感性が豊かな場合、非行よりも死を選んでしまうほどに。
しかし、主人公と出会った売春少女は、自分が「本当に欲すること」に気づき、ニセの主体から解放される。
他人と関わることを避けていた主人公も変化する。
三人目の自分に打ち勝てるのは、「欲する自分」を決して裏切らない、四人目の自分しかいない。
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