「印象的」デタッチメント 優しい無関心 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5印象的

2014年11月14日
iPhoneアプリから投稿

知的

人には、三人の自分がいる。⑴こうなりたいと思う理想の自分、⑵理想に近づこうと努力する自分、⑶ちっとも現実化できない自分を罰する自分。

理想のロールモデルが不在のため、自分の理想像を描けない。
非行を重ね、あえて不幸な道に進む若者は、自分を傷つけることで自分を罰しているように見える。

無意識の自罰は、サディスティックで残酷だ。

人より感性が豊かな場合、非行よりも死を選んでしまうほどに。

しかし、主人公と出会った売春少女は、自分が「本当に欲すること」に気づき、ニセの主体から解放される。
他人と関わることを避けていた主人公も変化する。

三人目の自分に打ち勝てるのは、「欲する自分」を決して裏切らない、四人目の自分しかいない。

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Raspberry