「実写版としてはナシ!特撮映画としてはアリ!」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
実写版としてはナシ!特撮映画としてはアリ!
"進撃の巨人 ATTACK ON TITAN" 二部作前編。
通常スクリーンで鑑賞。
原作マンガは既読です。
バッシング対策のためか、公開前から「原作を再構築した全く別の『進撃の巨人』です」と原作者も樋口真嗣監督も強調していました。しかし予防線を張っていたにも関わらず、公開と同時に非難轟々の嵐が吹き荒れ、それに反応した樋口監督のツイートが大炎上したのを覚えています。
酷評している方々の気持ち、よく分かります。巨人遭遇のホラー描写は原作そのままで、実写ならではの恐怖演出で好感が持てました。ですが、良いなと思えたのはこれくらい。
キャストが日本人なのも、舞台が日本なので無理矢理納得出来ましたが、名前―エレンだのアルミンだのはやはり違和感しかない。潔くシキシマのように日本名にした方がまだマシ…
しかし、特撮ファンの目線に立って観ると「なんと素晴らしい特撮映画なんだ!」と歓喜せずにいられませんでした。
本物と見紛うばかりにつくり込まれたミニチュア。着ぐるみを使った壮絶なアクション。CGとの見事な融合。…
さすが特撮界に革命を起こした樋口監督。「平成ガメラ三部作」のイズムを踏襲し、尾上克郎の手腕も混ざり合ったことでその実力が遺憾無く発揮されていると感動しっぱなしでした。
巨人同士の戦いは「サンダ対ガイラ」を想起させ、興奮が止まりませんでした。肉弾戦の応酬は、これでもかと繰り出される生々しい描写と共にスクリーンから迫って来ました。
諫山創も原作を構想する際に「サンダ対ガイラ」が念頭にあったのは有名なお話。同作を製作した東宝での実写化は、作者自身とても感慨深いのではないかと妄想を逞しくする次第。
[以降の鑑賞記録]
2019/01/14:DVD
※修正(2023/05/07)