「確かに、原作とは別物でした。」進撃の巨人 ATTACK ON TITAN りんさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに、原作とは別物でした。
キャストはとてもよかったと思うのですが、内容が残念でした。
原作とは違っても、また異なる世界観が描かれていればと思って観に行ったのですが…、やはり原作のような人物像や世界観を求めてしまっていたのかもしれません。
生きるか死ぬかの狭間に生まれる緊迫した精神世界や、狂気と隣り合わせの日常が人々の心にもたらす悲壮さ。
そうした日常の日々が、エレンやミカサの心に葛藤や戸惑いを生んだり、純粋に他者を想いやる気持ちを育んだりしたのだと思いますが、そういう原作の生命線(私はそこが進撃の巨人のとても大きな魅力だと思っています)ともいえる大事な部分が、映画には感じられなかったです。
恋愛感情がクローズアップされすぎていて、そうしたものが失われてしまっていると思いました。
エレンも残念でしたが、何より残念だと思ったのはミカサです。
原作でもミカサはエレンを慕っていますが、エレンが強くて勇敢で自分を守ってくれるから慕っているのではない。
戦いに勝ち抜く強いエレンを慕っているんじゃなくて、自分が最も傷ついていた時にそっとマフラーを巻いてくれたエレンを慕っているのになぁって、とても悲しい気持ちになりました。
そんな、武勇を賛美しているのではないあの物語を好きな者には、この点が残念でした。
私は女ですが、原作のミカサファンだったたけに、どうしても原作と目の前の映画を比較して観てしまって、とても残念に感じました。
私のように、原作と比較せず、完全に切り離して観ることができる方や、原作を知らずに見る方には、また違った見え方をするのだろうと思いますので、原作とはまったく別物と思って御覧になるのがよいと思います。
随分酷評になりました。失礼しました。