劇場公開日 2012年9月15日

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「今回の逆転劇はキャスティングかも」鍵泥棒のメソッド マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5今回の逆転劇はキャスティングかも

2012年9月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

寝られる

前作「アフタースクール」(08)でも、最後の最後ですべてをひっくり返して笑わせてくれた内田けんじ監督が今度はどんな仕掛けを見せてくれるのか、楽しみな1本だ。

堺雅人が演じるのは主役の売れない俳優だ。ボロアパートに住み部屋は散らかし放題、すべてがいい加減で中途半端な人間だ。おまけに小心者で、虫も殺せないような男が伝説の殺し屋に間違われてしまう。そんな桜井に堺雅人が持ち前のキャラクターを活かしてぴったりハマる。

対する本物の殺し屋・コンドウが几帳面な性格で、熱心にメモを取り役者として一本立ちしようと努力し始めてしまう。そのひたむきさが笑いになる。凄みのある殺し屋と、マジメに努力する俳優、その二重の顔を香川照之が演じ分けるのは観ていて楽しい。

コンドウの隠れ家を使って優雅に暮らし始める桜井とヤクザ(荒川良々)の絡みで笑わせながら、話は徐々に核心に向かっているはずなのだが、婚活中の香苗(広末涼子)を隠れ蓑に観客の注意を逸らすあたりはさすがだ。

それでも勘のいい観客は早々に真実に気がつくかもしれない。
今度こそ騙されまいと、内田けんじ監督の仕込みを見破るのも楽しみのひとつだ。これまでの作品に比べたらハードルは低い。
だが観終わって気がつく。
堺雅人を主役に見せかけておいて、実の主役は香川照之でしたというのが最大の逆転劇だということに・・・。

ラストの森口瑤子がいい。

p.s. 桜井が住むボロアパートの名前(○☓△荘)が知りたくてネットを検索していたら、ボロアパートの隣の住人で猫を飼ってる女の子を演じたのはダレ?という書き込みばかり検索に引っかかって肝心のアパートの名前は分からずじまい。女の子を演じた役者はエンドロールに出ていました。
となりの住人・・・荒川結奈

マスター@だんだん