「健康で努力家であれば」鍵泥棒のメソッド harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
健康で努力家であれば
本作の冒頭で広末涼子演じる水嶋香苗がアルバイト募集の条件に揚げたのは「健康で努力家であれば」と言うことだった。
それを観て私は、なんとアバウトな!?それならこの私でも採用されるのではないかと考えた。しかししかし、この映画を観ていくにつれて、その考えがとても甘いことに気づく。
香川照之演じる、伝説の殺し屋コンドウは記憶をなくし、堺雅人演じる桜井武史と人生が入れ替わってしまうのだが、そこからひとつひとつ手掛かりを集めては自分が何者だったのかを探し、自分がどうやら売れない役者だったと分かると、そこから演技の勉強をする。メモを取り、整理し、計算し、研究する。メモさえとらない自分などとても努力家とは程遠かったのだ。
なるほどそういう才能があれば、どんな状況からでも自分を伸ばして人生を切り開いていけるんだなと、感心してしまった。
本作はとても良くできたコメディである。笑って、ドキドキして、ホロリと泣いて、そして胸がキュンとなって、楽しい気持ちにさせてくれる。「鍵泥棒のメソッド」はそんな素晴らしい映画でした。
コメントする