「可愛くドキドキのコメディ」鍵泥棒のメソッド kalichan88さんの映画レビュー(感想・評価)
可愛くドキドキのコメディ
死のうとしていた売れない俳優の桜井。銭湯で振りのいい男が滑って頭を打って倒れている間に、自分の鍵とすり替え、結局出来心でその人物に成りすます。病院に運ばれた山崎は、本当はコンドウと言う名で恐れられている伝説の殺し屋なのだが記憶を失くし、持ち物から自分が桜井だと思い込む。記憶がないまま山崎は、桜井として雑誌編集長の水島と知り合い仲良くなっていき…。
とても可愛い映画だと思った。殺し屋だとかヤクザとかが絡んできて、ちょっとドロドロした要素はあるが、全体的にライトタッチだし、最後の全て丸く収まる感じが観ていて気持ちいい。香川照之のコンドウの時と桜井だと思い込んでいる時のギャップのある演技がいい。人生どん底のように見える桜井の人生を山崎は前向きに生きる。同じ状況下でも、人によってその人生の生き方がこんなにも変わるのかと観ていて面白かった。また、役者が話しの中で演技の話をしたり演技をしたりするのも笑えて楽しい場面だった。「演技」が話しの中で重要な位置を占めているのだ。
「結婚」することが人生のゴールみたいに描かれてはいるものの、それ以外にもちゃんと、人を好きなること、コントロールできない気持ち、という胸キュンな要素もあって、最後は可愛いなぁと思えるようになっている。
私は不思議と人が入れ替わるタイプの話は観ていて好きじゃないのだけど(何故か心がザワザワして嫌なんだ。どうしてだろうか)、この映画は、記憶が戻ってから盛り上がるので、見応えがあってほっとした。
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