劇場公開日 2012年1月13日

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「もう一人の自分がいたら……」デビルズ・ダブル ある影武者の物語 いずるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0もう一人の自分がいたら……

2012年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

興奮

ドミニク・クーパーの一人二役は必見。
声の調子や表情がまるで違うので、あんまり似てないな、と疑問に思うほど。
同一人物が演じているのだけど。
今後の出演作にも期待です。

影武者になったラティフはウダイの命令に逆らえず、言いなりになったり、鞭で打たれたりするのですが、
『同じ顔が同じ顔を必死に痛めつけている』ので、どこかセクシャリティを感じました……

死にそうになったら動揺して、病院に押し掛けたり、家に一回戻したり、
誰にもそんなことをしないのに、ラティフにだけ、少し気遣うことをするのは、やはり同じ顔だから?
そこにあるのは、自己愛で、他者として見ていないのです。
ウダイが、自分がやりたいことをラティフにやらせようとするシーンが非常に多く、
様々なものを与え、弟や自分として、意に添ううちは厚遇しますが
反抗すると激昂して思い通りにしようとする。

大きな子供という言葉そのままに自分と他者の境界線があいまい。
自分が楽しいと他人も楽しいに違いない、という傲慢な態度で周りを悩ませます。

画角も美しいですし、話も面白い。文句なしです。
ミニシアター作品で、あまり知られていないのはもったいない。

いずる