「構成が物足りない」クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
構成が物足りない
ライティングのアイデアが面白く、大人の夜を彩るショーは魅惑的だ。
だが、ナイトクラブ「クレイジーホース」の魅力を余すことなく伝える構成だったとは思えない。ドキュメンタリーとはいえストーリー性がなく、ただラッシュを見せられた気分だ。
ここで不満点を挙げる。
誕生してから50年以上になる老舗の歴史にまったく触れられていない。
リハーサルはいいが、本番での臨場感がない。音響も良くない。運営側からの一方的な目線で、ゲスト側から見たショーの興奮が伝わってこない。
ダンサーたちのプライベートタイムに密着取材していない。
言ってみれば、2時間あまり、ただお尻ばかりで飽きる。
唯一、見応えがあったのは、スタイリストのフィフィ・シャシュニル女史が、著名な振付師で演出家でもあるフィリップ・ドゥクフレの不手際に猛然と抗議した場面だ。ここは妥協のないプロフェッショナルの横顔が垣間見えて面白い。
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