「真面目な人なんだけど人使いは荒い」コーマン帝国 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
真面目な人なんだけど人使いは荒い
映画監督・プロデューサーであるロジャー・コーマンの生涯を追っていくドキュメンタリー。
コーマン学校・コーマン塾などと言われ、若手の登竜門的独立系映画会社をやっている人という認識だった。
それと低予算映画で決して赤字を出さないというポリシーの人。
決してメジャーではやらずB級にこだわっていた点が謎だった。
その理由がハッキリわかる。
何でも自分でやりたがる、人に指図されるのが何より嫌。
ある意味究極のエゴイスト。ワンマン映画男なのだ。(この点、ちょっと共感してしまう)
しかしコーマンは知性派の落ち着いた人。
内に秘めた情熱がハリウッドのやり方と違ったということなんだろう。
自社で使える範囲の予算で、絶対に黒字を出さなければ
映画を撮り続けられない。
それがコーマンの出した答え。
ずっと無視されていたアカデミー協会から連絡があり
アカデミー賞名誉賞を受賞することになる。
そこでどんなスピーチするのだろう?もしかしたら嫌味の一つでも言うのかな、と思っていたら驚くほど感動の内容だった。
『この世界で成功するには、危険を冒す必要があると思う。
今、最も優れている映画は、危険を冒し賭ける勇気のある独創的で革新的な映画製作者が撮影したものだ。
だから常に賭けて、危険を冒すことを忘れないでほしい』
このスピーチをしているのを聞いている盟友ジャック・ニコルソンの嬉しそうな顔が印象深い。あとほんの少しの出番だが、最高のコーマンファンの一人タランティーノのスピーチも痺れたな。
エンドロールで流れるラモーンズとコーマン映画の映像の組み合わせも最高の出来。
コーマンのように自分の信念に正直に生きたいと感じました。
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