「トニー・スタークという人間を描いた異色作」アイアンマン3 アルタイルさんの映画レビュー(感想・評価)
トニー・スタークという人間を描いた異色作
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『アイアンマン3』は、アベンジャーズ後のトニー・スタークの「人間性」にフォーカスした、これまでとは一線を画す作品です。スーツを脱いだトニー、そして“ヒーローではない時の彼”を描こうとする姿勢は新鮮で、ヒーロー映画としてよりも“人物ドラマ”としての側面が強い一作に仕上がっています。
不安障害に苦しむトニーの姿は、神や怪物に囲まれた世界の中で唯一の「人間らしさ」を際立たせており、シリーズとしての深化を感じさせます。また、多数のアイアンマンスーツが飛び交う終盤のアクションは迫力満点で、ビジュアル的な満足度も高いです。
一方で、賛否両論を呼んだ“マンダリンの正体”の扱いや、中盤のテンポの緩さなど、ストーリーテリングにおいてやや混乱を招いた点は否めません。また、スーツに頼らないトニーの活躍を見せたい意図は理解できますが、「アイアンマン」を観に来た観客の期待とは少しズレていた部分もあるでしょう。
とはいえ、「スーツがなければ何もできない男ではない」というトニーの成長を描いた点は評価すべきであり、シリーズとしての挑戦と方向転換は意義あるものでした。
総合評価は3.5。ややクセはあるものの、記憶に残る問題作でもあり、ヒーロー映画としての幅を広げた一作です。
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