「偉大なる魔法使いの誕生秘話 ~鬼才監督とディズニーのコラボレーション~」オズ はじまりの戦い どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
偉大なる魔法使いの誕生秘話 ~鬼才監督とディズニーのコラボレーション~
原題:OZ THE GREAT AND POWERFUL
シナリオ:ミッチェル・カプナー
監督:サム・ライミ
オリジナル音声の字幕版(Blu-ray)をプロジェクターに繋げて130インチのスクリーンで視聴しました。2Dであっても迫力のあるシーンは興奮ものです。
序盤の4:3サイズのモノクロ映像から竜巻後のワイドサイズで美しいカラー映像に切り替わるのは、『オズの魔法使』(1939年公開)をオマージュしたものでもあり、今作は前日譚的なストーリーです。
手品師の「オスカー・ゾロアスター・ファドリグ・アイザック・ノーマン・ヘンクル・エマニュエル・アンブロイズ・ディグス」は、本名が長すぎるため最初のオスカー・ゾロアスターのイニシャルOとZだけを並べて「オズ」と名乗っているそうです。
主人公オズ(ジェームズ・フランコ)が、別世界で得意の手品と口先で乗り切りながら偉大な魔法使いと言われるようになるまでの物語ですが、恋愛要素があり、魔女と魔女の殺し合いもあり、ちょっとだけホラーのような怖い場面もありますが、小さい人に見せても安心な内容です。
セレブ&セレブレイションで華やかさもあります。ゴージャスなドレスなどの衣装も見どころのひとつですが、エメラルド・シティのコインに刻印されている肖像が、児童文学小説『The Wonderful Wizard of Oz(オズの魔法使い)』の原作者であるライマン・フランク・ボームでというアイデアとリスペクトや愛にあふれた小道具も見逃せません。
東の魔女“エヴァノラ”(扮するレイチェル・ワイズは当時7歳の息子がいたが、特に息子のためというわけではなく自分自身のために出演したと語っている)、西の魔女“セオドラ”(ウクライナ生まれアメリカ育ちの独特な存在感を放つミラ・クニス)、南の魔女“グリンダ”(ミシェル・ウィリアムズは、当時7歳の娘のために出演したと語っている)の3人の魔女も含め、見た目も性格も多彩なキャラクターが大勢登場します。
個人的にマリオネットとCGのコラボレーションで生み出された“陶器の少女”が1番好きです。
3Dで観てみたい映画が、またひとつ増えました。