「「オズの魔法使い」へのこだわりのリスペクト!」オズ はじまりの戦い よんしんさんの映画レビュー(感想・評価)
「オズの魔法使い」へのこだわりのリスペクト!
オズの魔法使いのインチキ魔法使いオズのお話です。
確かに、子供の頃初めてオズの魔法使いを知った時、オズ王国ですでに起こっていることについて詳しく説明もなく、最後にはずっと探していたオズの魔法使いは魔法使いじゃありませんでした、という驚きの展開なのに、その背景について説明もなく話が終わることにモヤモヤしていた記憶があります。
オズの魔法使い役は、最近セクハラで話題のジェームズ・フランコ。
この物語のオズも女好きで美女を見るとすぐ口説きます。
サム・ライミ監督がジェームズ・フランコの女癖の悪さを知っての配役だったんですかね?
物語はオズの魔法使いの前日端を丁寧に物語ってくれます。
映画「オズの魔法使い」がモノクロから始まり、オズ王国に着いてカラーへ変わるように、本作もモノクロからカラーへ変わります。
「オズの魔法使い」は舞台のお芝居を映画にしたような独特の映像や色遣いが特徴的ですが、本作ではCGIをあえて昔の映画のように若干どぎつい色遣いにすることで、独創的で非常に美しい映像表現を作り出すことに成功しています。
3D用に作られた映画のようで、ところどころ3D映えするような表現もあり、3D映画のアトラクションのようにワクワクしながら観れるつくりになっていると思います。
映画全編を通して「オズの魔法使い」への敬意が感じられます。
ストーリー展開はディズニーらしい内容で、ほとんど思った通りに話が進みますが、「オズの魔法使い」で、なぜあのような状況になったかが理解できます。
また、ジェームズ・フランコのオズのヘタレっぷりをはじめ、出てくるキャラクターたちか魅力的で、登場人物たちのやり取りが見ていて面白いです。
ファミリー映画なので、大人が一人で観るには「オズの魔法使い」がよっぽど好きでないと、ただの子供向け映画だという感想になるかもしれませんが、子供や家族と一緒に「オズの魔法使い」を思い返しながら観るには、なかなかの楽しい映画だと思います。
残念なのは、オズ自身が口八丁のペテン師なので、これを見てしまうと「オズの魔法使い」のオズによるあの有名な教訓が薄っぺらーいその場逃れのものだったのかもしれないと思えてしまうことですね・・・