「映像☆×4+ストーリー☆×1=☆×2.5」009 RE:CYBORG ybakuさんの映画レビュー(感想・評価)
映像☆×4+ストーリー☆×1=☆×2.5
良い点と悪い点がはっきりしすぎです。
映像は間違いなく今のアニメーションの最先端です。たしかに、新しい表現だけに創り込み不足の箇所はあります。しかし、窓ガラスの汚れとそれに写る顔、向こうの景色を3D表現するなど、考えるだけで難しそうなことを頑張ってる感じはヒシヒシと伝わってきます。ストーリー上そのシーンが必要かどうかは別ですが。00ナンバーズそれぞれの能力の今風、ミリタリー風解釈も、過去作を知っている人ははそりゃ盛り上がります!
しかし、シナリオは・・・これって観客どころか、監督初め、制作スタッフは納得のシナリオだったんでしょうか?制作過程は知りませんが、過去の完結編をやろうとして途中であきらめて方向転換したのか、何度も修正しているうちにとっちらかって収集がつかなくなったのか・・・
終盤の成層圏での展開はそりゃ燃えましたよ!手に汗握りました!ただ、その後の演出、「えぇぇぇ、それやっちゃうのか」という展開で、見てるこっちが恥ずかしくなってしまいました。帰り際に周りから「あのアラフォーこんな中2病丸出しの映画見に来てるわよ」と言われている気がしてそそくさと映画館を立ち去りました。
この映像ができるんなら、もういっそのことエンターテインメントの方向に振り切っちゃってブラックゴーストと戦ってくれたほうが気持よく見れた気がします。過去の押井作品、神山作品同様、ファンから「お前はストーリーの半分も理解できてない!」と言われればそのとおりです。でも、ピクサー作品やダークナイトのようにエンターテインメントとしてほぼ完璧に成立していながら、難しいことを考えたい人にとってはいくらでも深追い、裏読みすることが可能な作品というのは、たくさんあると思うのですが、そうゆう風には作れなかったんでしょうか。
なんだか、ストーリーが理解できないと「そりゃお前の頭が悪いからだ」と作り手にバカにされているようで、不快な感じさえしてくるんだよなぁ。
特にラストに関しては裏読みしちゃいますよね。むしろ挙げられたハリウッド作品よりは深いと思うのですが…。水の上を歩けるのは何故でしょう?それだけで、ラストの解釈が3つ以上でてきませんか?大人が見れるようなシナリオにしてしまったので、一般的なアニメ解釈では「えええ」ってなっちゃうのでは。