「劇場で見る価値がなくはないが」009 RE:CYBORG KZさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で見る価値がなくはないが
まず、映画として説明不足
原作を知らないと内容が理解できない作りなので
映画としては非常に不親切です
009 RE:CYBORGというタイトルから
ある種の続編ではあるかもしれませんが
009たちがどんな経緯でサイボーグになったのかすら説明されません
そして各サイボーグの能力もビジュアル的には表現されますが
説明は全くされない、わかってるでしょう?的な表現は
作品として評価を低くしてしまいます
それを超えるパワーを持って面白ければ
問題にもならないのですが、面白くはないもので・・・
前提として説明不足の上
なぜ002と009の確執があるのかが説明されるものの
ストーリーの主題として必要だったか疑問がある上
”彼の声”というものがわざわざストーリーを難解にしています
そしてサイボーグたちに見える謎の少女
コレが最期までなんなのか説明すらされません
3Dポリゴンによるアニメーションとしては
迫力もあり新しい表現の可能性かもしれませんが
遠景の背景表現の時に空気で背景が霞む表現がこなされていないようで
逆に安っぽく見えることも多かったです
内容に関しては原作者自身が解決できなかった部分に手を付けてしまい
壮大に自爆した感じです
ビジュアル的には優れていいますが
内容的には・・・
007と008が早々に画面から消え
008にいたってはその能力すら発揮できず・・・
何よりも、赤い服を着て9人勢揃いするシーンがなしというのは
009の映画としては0点だと思います
私は009を知らないまま観た人間ですが、サイボーグの能力説明やバックボーンの説明、ひいては原作の知識が今回の映画観賞に必要だったとは感じませんでした。唯一ハテナを感じたのはサイボーグたる彼らのスペックというか、どれくらいされたら死ぬのか、直せないのか、というあたりですかね。例えば、酸素ない所で活動できるのか、とか銃弾への耐久性とか。
この映画は仰る通り、懇切丁寧な説明の伴う親切な映画ではないと思いますが、私は逆に見ているうちにわかる、説明的なセリフ・説明の為だけのシーンはなくても、観客が「ああ、こういうことね」とわかりながら見る事ができる映画ってイイ映画だと思いました。
ただ、察するに009の原作ファンの方からみると、009の良いところを生かせていないということになるのでしょうか。せっかくなら、全員そろうシーンは見て見たかった気もします。
ただ3Dポリゴンの動きが時折安っぽく見えてしまうのはとても同意できます。アクションシーンなんかはとても良いのですが、グラスを傾けたりする細かなシーンほど端々が気になってしまいました。