「よくあるB級ミステリーと侮ってました」ドリームハウス かちかち映画速報さんの映画レビュー(感想・評価)
よくあるB級ミステリーと侮ってました
ごめんなさい、よくあるB級ミステリーと侮ってました。二転三転する展開に何度も騙されました。
面白かったポイント2つあります。
1つめは、「どんでん返しが2回あること」です。
2回どんでん返しがあるので飽きずに観ることができます。
1回目のどんでん返しは、「ウィルが精神患者のピーターと同一人物」であるということ。中盤にウィル=ピーターだと明らかになります。不覚にもこの展開は予想できず、驚きました。同時に「あれ?どんでん返し早くね?これで終わり?」とも思いました。しかし、この映画の面白いのはここから出す。まさかの二段構えどんでん返しが待っていたのですから。
2回目のどんでん返しは、「ウィル(ピーター)以外に別の真犯人がいた」ということ。一家惨殺の黒幕は、ウィルの向かい側に住む旦那でした。旦那が雇った殺し屋にウィルの家族は、誤って殺されてしまったのです。殺し屋のうっかりミスで殺されてしまったウィルの家族、気の毒に思います。あんなに可愛いくて小さい子供を、平気で撃てるなんて考えられません。
主人公が実は精神患者で犯人でした、みたいなパターンはよくあります。1回目のどんでん返しで終わっていたら凡作でした。良い意味で裏切ってくれたので評価します。
2つめは、「ウィル役のダニエル・クレイグの役作り」です。
序盤の家族想いのウィルと、中盤以降にウィル=ピーターだと判明してからのダニエル・クレイグが別人に見えました。これはダイニエルの役作りの力の賜物でしょう。
序盤のウィルはさわやかで優しい印象でしたが、中盤以降は狂気に満ちた表情で雰囲気もいまにも人を殺しそうな雰囲気を感じました。髪型と表情が大きな要因でしょうか。個人的には、オールバックで目をギョロつかせている、中盤終盤の悪いピーターの方が好きです。
ラストシーンで自分の小説を眺めるウィルは、優しい雰囲気とチョイ悪っぽさをミックスしたような感じになっていました。聖人とも悪人ともいえない、良い印象です。小説がベストセラーになって成功したウィル。彼の人生は明るい未来が待っているのではないでしょうか。
どんでん返し好きなら観て損はない映画です。1時間30分というテンポの良さも魅力的。これだけの要素を詰め込みながら、この短さはなかなかありません。時間のない時でもサクッと観れるのでオススメです。